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好きだって気づいたとき

第17章 気がついたとき

「友哉、お前何言ってるんだよ」

「何って、俺は誠の代わりなんだろって言ったんだよ」

「お前、それ本気で言ってるのか?」

「それは俺のセリフだよ。
昔、誠がイジメられてるのに気が付かず、大ケガさせられてそれを守ってやれなかった」

「友哉・・・」

「そこに誠に似ている俺が現れて、俺を守ることで誠への罪滅ぼしでもしようって事なんだろ」

「ちょっと友・・・」


何だかよくわからないけど、口が止まらなくなってしまった。


「こっちに引っ越してきて1番初めにできた友達。
いつも優しくしてくれて、助けてくれて、凄く嬉しかった。
でもそれは誠に似てるからなんだよな」

「だから違うって友哉。ちょっと落ち着けって」

「俺は落ち着いてるよ。
木村だって俺の事、誠にそっくりだって言ってた」

「えっ、木村?
木村といつ話したの?」

「あいつも俺の事聞きつけて、中学の時の事謝りに来たよ。
その時に聞いたよ。
俺を初めて見た時に、やっぱり友達になったなって思ったって」

「会って何も無かったか?何もされなかったか?」

「何もされてないし、もうそんなに俺の事心配しないでよ。
俺は誠じゃないんだから」

「とにかく落ち着けって友哉・・・なっ」


俺を後ろから抱き締める遼太。


「離してよ遼太、俺は誠じゃないんだ・・・うわっ!」


抱き締めた俺を俺をベッドに思い切り押し倒した。
そして俺の上に四つん這いにおおいかぶさってきた。


「何だよ、何するんだよ」

「いつ俺がお前の事、誠の代わりなんて言った?
自分勝手なことばっか言ってんじゃねぇよ!
俺の気持ちも少しは考えてくれよ」


遼太の・・・気持ち?

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