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好きだって気づいたとき

第17章 気がついたとき

やっぱりこの感触、前にもあったような・・・
優しくて暖かいこの感触。
いつだったかな?
思い出せない。
でも凄く心地いい、体の力が自然に抜けていく。
そして又、勝手に涙がこぼれてきた。
どれくらいだろう、多分10秒くらいで唇が離れると、凄く寂しくて名残惜しく感じた。


「友哉・・・」

「んっ?」

「お前が涙流してるの見たの、中学の卒業してから2回目だよ」

「えっ、見られてた?」

「俺はいつでもお前の事を見ているよ」

「恥ずかしいな」

「恥ずかしいなんて事ないよ。
でも何で涙なんか流してしたんだよ」

「どうしてか?
そんなの理由なんてわかんないよ。
泣こうなんて思ってもないのに勝手に流れてきたんだよ」

「そっかそっか・・・」


ギュッと抱きしめ、子供のように頭をポンポンと撫でた。


「本当にお前は可愛いな」

「うるさい、可愛いって言うな」

「可愛いから可愛いって言ってるの。
目をうるうるさせて“うるさい”なんて言われても、怖くもなんともないよ」


涙を拭おうとする俺の手を掴む遼太。
俺の頬を両手で包み込み、指で涙を拭ってくれた。
じっと見つめあったまま、もう一度キスをした。
遼太の唇じゃない、何か温かいものを唇に感じた。
温かいものを感じるとすぐに、それが俺の唇をこじ開けて入ってきた。


「んふっ・・・」


俺の舌を探り当て、激しく絡めてきた。


「んっ・・・んふっ・・・はぁ、はぁ・・・」


息をするのもやっとなくらい、必死に絡めあった。
絡めあったまま、体はゆっくりとベッドに寝かされた。
唇が離れると、じっとまた俺を見つめる。
俺の頬を触る手が、ゆっくりと首筋から胸へとおりていく。


「・・・いい?」

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