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好きだって気づいたとき

第19章 思い出の場所巡り

その後、ちょくちょく遊びに行った河原や公園、夏休みに行った市民プールなんて行ってみたりした。


「あっ、あの店出てる。友哉、食べようよ」


市民プールの前、夏休みだけやってるお店。
お好み焼きにたこ焼き、お菓子やパン、かき氷も売っている。


「おばちゃん、かき氷ちょうだい。
レモンとイチゴ、ひとつづつね」


店の前の椅子に座ってかき氷ができるのを、目の前の市民プールで遊ぶ子供達を見ながら待った。


「夏休み、時間見つけてはこのプールに来てたよな」

「近いし安いし・・・懐かしいな」


遊んでいる子供達に自分達の子供の頃の姿を重ねていた。
できあがったかき氷をおばちゃんが運んできてくれた。


「プールから出たらこのかき氷を食べるのが定番だったよな。
俺がレモンで友哉がイチゴ」

「ここのかき氷はサラサラふわふわで美味しいよな」


ここはここでの思い出話に花が咲く。
ここに引っ越して来て、遼太と出会ってから遊び方が変わった。
何と言うか、一生懸命遊ぶようになった。
遊ぶ事を心底楽しんだ。


「いつからここに来なくなったかな?」

「受験生になってからじゃないか?
中3の夏は泊まりでみんなで海行ってたし」

「そうだったな。
友哉が行かないなんて言ってたりしてたよな」

「そうだよ。
あの時はそんな自分が楽しんだりしたらいけないと思ったからさ」

「あっごめん友哉、変なこと思い出させちゃって」

「うぅん、大丈夫だよ」

「さぁ、行こうか。
まだまだ行きたいところあるしさ。
おばちゃん、ごちそうさま」


かき氷を食べた俺達はまた思い出の場所巡りをするため自転車にまたがった。


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