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好きだって気づいたとき

第20章 これもひとつの思い出

先輩の言葉が気持ち悪く、思わずバチを離した。


「このバチを握って太鼓を叩くことを想像したら、何か自分のモノを握られてるようで興奮するよ」


この先輩は何を考えてるんだ。
気持ち悪っ!


「先輩、やめてください・・・離してください」

「もう会えなくなるんだ。
友哉の匂い、感触を覚えておきたいんだ。
友哉、いいだろ?」

「やめて・・・離して・・・あんっ」


不意に耳をペロッと舐められた。
俺は不覚にも、先輩をその気にさせるような変な声を出してしまった。


「友哉、何今の声。
もしかして友哉、耳弱いの?」

「違います。
とにかく離してください、お願いですから」


全然離してくんないよ。
どうしよう、このままだと俺、ヤラれちゃうよ。


「そう言えば友哉、胸も弱かったんだっけ・・・」

「違います・・・やめて、離してくだ・・・」


ーガチャ・・・バタンッ・・・ー


「友哉、ただいま、待った・・・って友哉?」


リビングに入ってきた遼太に驚く先輩。
力が緩くなったスキに、先輩から離れ遼太の側へ逃げた。


「あんた誰だよ・・・あれっ?
あんたもしかして和太鼓の・・・」

「卒業した先輩」

「卒業した先輩が何で友哉の家、ここにいるんだよ」

「学校行ったら友哉が明日引っ越すって聞いたから、最後にプレゼントを渡しに来ただけだよ」

「へぇ~、プレゼントを渡すだけなのに、友哉に抱きつく必要あるんですか?」

「そっ、それは・・・
ところで君はどうしてここ来てるんだ?」

「俺は友哉の大親友。
でももうそれだけの仲じゃないけどね」

「それだけじゃないって・・・えっ!?





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