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好きだって気づいたとき

第2章 卒業記念

この遊園地で1番の絶叫マシーン。
近くまで行くと顔色のすぐれないやつが2人いた。
俺達野生児じゃない3人のうちの2人。


「どうした?もしかしてこういう系苦手?」


2人は顔を見合わせた。


「う〜ん・・・
ここまでになるとちょっと・・・ね」

「笑うなよ」

「笑わねぇよ。
誰だって苦手なものくらいあるだろ?」

「じゃあ、俺達乗ってくるから待っててくれる?」

「うん、この辺ウロウロしてるよ」

「じゃあ、行ってくるわ」


2人と別れて絶叫マシーンに向かった。


「よしっ、誰と乗るかじゃんけんで決めようぜ」

「いいよ。
それでわ・・・じゃんけんぽん!」


遼太は愛里、俺は友梨耶、雅人は美優、健人は竜斗と乗ることになった。


「乗る場所も決めねぇ?
前、後ろ、真ん中。勝ったやつから選ぼ」


そしてまたじゃんけんをした。
俺と友梨耶は1番後ろ、遼太は少し前に乗った。


「友梨耶は絶叫マシーンは平気な人?」

「実は・・・苦手なんだ」

「えっ、大丈夫?
まだ大丈夫だから、下ろしてもらう?」

「うぅん、大丈夫。
偶然だけど知哉君と乗れて嬉しいんだ。
愛里も遼太君とペアで喜んでるよ」

「えっ?どういう意味?」

「え〜と・・・私、知哉君が転校してきた時からずっと好きだったの。
これをきっかけに付き合って・・・」

「えっ!?」


そんな話をしているとスタートした。


「ギャーっ!」

「うーうぉっ!うーうぉっ!うーうぉっ」


みんなが叫ぶ中で、遼太が両手を上げているのが見えて俺も上げてみた。
友梨耶の突然の告白に、正直心底この絶叫マシーンを楽しめなかった。


「ふぅ、やっぱり怖かった・・・
あっ、ごめん」


知らないうちに友梨耶は俺の服を握っていた。

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