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好きだって気づいたとき

第2章 卒業記念

入学式まではなんやかんや忙しくて、遼太はもちろん、雅人や健斗と全然遊んでいない。
制服を買いに行ったり、学校へ教科書とか購入に行って会うことはあるけど、入学式に提出しなければいけない宿題もあって、何だか忙しい。


「あ〜あ、何だか退屈だな。
退屈と言うかう〜ん・・・ストレス?」


何がストレスかはわからないけど、ちょっとイライラしている。


「いってきまーす」


空手に行くため家を出た。
いつもの道を歩いて行き、いつもの木を横目で見ながら通り過ぎた。
練習終わりもここを通り、話し声も笑い声も聞こえない木に近付いた。
しばらくじっと木の上を見つめ、いつものように荷物を放り投げ、木を登り始めた。


「やっぱりここは落ち着くな」


俺は木の枝にもたれて目を閉じていた。
長い時間じゃないけど、ウトウトとしてしまったよう。
人の気配がしてハッと目が覚めた。


「わぁ〜!」

「うわぁっ!びっくりした」


人の気配を感じ、目が覚めるまでの時間わずか数秒で、俺の目の前に遼太の顔があらわれた。


「知哉、来てたんだ。
来るなら誘ってくれたらよかったのに」

「春休みで練習が昼までさ、何かそのまま帰るのが嫌だったからさ、それで練習帰りによったって訳」

「俺もさ、知哉・・・みんなに会えなくてずっとイライラしてたんだ」

「急に会わなくなるのって何か変」

「あっそうそう、この前の写真できたんだ。お前ん家持って行こうと思って」

「マジ!嬉しい。見たい見たい」


写真を2人で見た。



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