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好きだって気づいたとき

第3章 中学校生活開始。

今日は遼太も俺も部活が休みだから、久々に一緒に帰ることに。


「知哉、今日空手ある?」

「うぅん、休み。
なぁ、久々にあそこ行かないか?」

「俺も今そう言おうと思ってたんだ。
お前はエスパーか?」

「バ〜カ!
俺達って言ったらあの木の上しかないだろ?」

「確かに」


家に帰り、速攻着替えて木の所へ向かう途中でコンビニに寄った。
飲み物とお菓子を買って店を出ると、俺達くらいの2人組みがコンビニ横の通路に立っていた。
よく見ると同じ学校、しかも遼太のクラスメイトで、ちょっとヤンチャな連中。
遼太は急に真顔になった。


「遼・・・太?」

「知哉、ちょっと待ってて」


一瞬笑顔を作り、そのクラスメイトに近づいて行った。
俺は言われた通り、離れた所で待っていた。


「お〜い、お前達何してんの?」

「おっ遼太、どっか行くんか?」

「うん、ちょっとな。
んっ?お前もいたのか」

「おい遼太、こいつさ・・・」


そこからは何も聞こえなかった。
ただしばらくしたら、そこから1人走って立ち去って行った。
それは俺のクラスメイトだった。
俺はその後ろ姿を目で追った。


「そんじゃあな。
知哉お待たせ・・・行こうぜ」

「遼太・・・いいの?」

「早く行こう行こう。
久しぶりなのに、長く遊べなくなるよ」

「うん・・・行こう」


何があったのかは気になったけど、遊ぶ時間が無くなるのも嫌だったから、コンビニから走って行った。


「そんなに経ってないのに、何か懐かしく思えるな」

「俺は時々来てたけどな」

「何、知哉来てたの?」

「うん、何かあると来てた」

「実は俺も、考え事する時はな」

「遼太でも考え事する事あるんだ」

「俺だってあるよ」


笑いながら木の上でコンビニで買ってきたものを開けていると、少し離れた所にコンビニにいた遼太のクラスメイトの姿が見えた。





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