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好きだって気づいたとき

第4章 夏祭り

ジュースを持って部屋に戻ると、遼太は勝手にアルバムを出して見ていた。


「何してんだよ。
勝手にだしてんじゃねぇよ」

「ごめんごめん。
目に入ったからついつい・・・ふ〜」

「何、人のアルバム見て溜息ついてんだよ」

「俺達との写真より、多いなって思って」

「そりゃそうだろ。俺来たの1月だぞ。
前のとこの方が多いに決まってるよ」

「俺の知らない友哉がたくさんある」

「当たり前だろ。
何言ってる・・・遼太?」


写真を見てる遼太の顔が何と言うか、例えるならちょっと怒っていると言うか、ふてくされているような顔をしていた。


「どうした遼太」


そう声をかけると、ハッと我に返ったようにアルバムを閉じた。


「なんでも・・・ないよ。
あっそうそう、来週神社でお祭りがあるんだけど行かない?」

「神社でお祭りか・・・」

「何か用でもあるのか?」

「別にある訳ではないんだけど・・・」


祭りは嫌いじゃないけど、何となく気が乗らなかった。


「無いならいいだろ?
なっ、なっ、いいだろ、行こうよ」

「じゃあ・・・行くか」

「よっし決まり。イェーイ!」

「お前だったら他に一緒に行きたいってやついるだろ?」

「前の所より、思い出増やそうって約束しただろ?」


引っ越してきたとき言われたみたいに、胸の奥のどこだかわからないけど、キュンとなった。


「じゃ、じゃあお祭りに行くならまた、宿題できなくなるから、ジュース飲んだらもう少しやるぞ」

「え〜、いいよ今度で」

「お前あやしいからさ。
やらないなら、お祭り行かないよ」

「ん〜・・・
わかったよ、やればいいんだろ、やれば」

「そう、そういう事」


結局、ほとんどこの日に終わらせた。

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