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好きだって気づいたとき

第4章 夏祭り

「なぁ遼太、何で知哉といつも一緒にいるんだよ」

「何でって言われても・・・
まぁ、気が合うって言うか何と言うか」

「お前の友達にしては、タイプが全然違くないか?」

「そっか?
俺はあまり人を嫌いになった事がないし、みんな友達だと思ってるし」

「あいつとクラスも今違うし、俺達と遊ぼうぜ。
他にもお前と仲良くなりたいってやつ、いるんだよ・・・あっ、知哉」

「はい遼太、買ってきたよ」

「おっ、サンキュー知哉。
よっし、あそこの射的やりに行こう」

「ごめん遼太。
ちょっとお腹の調子が悪いから、俺先帰るわ。3人で行ってきて」

「知哉、大丈夫か?」

「うん、大丈夫。ごめんね・・・じゃあ」


俺はお茶を遼太に渡し、その場を立ち去った。


「今の話し、聞かれちゃったかな?」

「まぁいいじゃん。
あんな地味なやつといても楽しくないし」

「楽しいか楽しくないかは俺が決める事だろ?
お前達が決める事ないよな」

「あいつ勉強できて、お前ほどじゃないけど運動神経いいけど、何かぶっきらぼうで何感考えてるかわかんねぇよ」

「勉強できてもできなくても、運動得意でも苦手でも、明るくても暗くても、みんな同じ学校の同級生じゃねぇか。
そう言う事言うなら俺、お前達との付き合い方考えちゃうよ」

「はぁ?」

「ごめん、俺も帰るは。じゃあな」


遼太も2人を残して帰った。


「祭りなんか行くんじゃなかった」


そのまま家には帰らず、あの木の所へ向かい登った。


「俺、遼太の友達にふさわしくないのかな?・・・はぁ〜」


しばらくすると人の気配がした。


「知哉、いるか?」


遼太だった。




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