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好きだって気づいたとき

第5章 文化祭

準備も中盤に差し掛かった頃、いつものように授業後に製作作業をしていた。
塾や習い事がある人もいるから、その辺はみんな協力しながらすすめてきた。
みんなが協力しあう中、やんちゃな奴らは全然やろうとしない。
とっとと帰ってしまう。


「あれっ、あいつらは?」

「・・・帰った。
俺、今日塾がある日なのに・・・」

「そっか・・・
よし、俺がやっておいてやるから帰っていいよ」

「でもお前、グループ違うのに・・・」

「そんなこと言っても塾サボれないだろ?
いいよ、気にすんなって」

「ありがとう。
明日はちゃんとやるから」


そいつは喜んで帰って行った。
俺は自分のグループの事もやり、こっちのグループの手伝いもした。
他のヤツらも手伝ってもらえない事がわかっているから諦めている。
でも何か俺は納得いかない。

次の日、また帰ろうとしたヤツらを俺は呼び止めた。


「おいっ、待てよ。
みんなやってるんだから、お前らもやっていけよ」

「はぁ?
こんなの面倒くせぇよ」

「みんなが困ってるだろ、手伝えよ」

「嫌だね。
何かみんな文句言ってんのか?」

「文句しかねぇよ」

「クソ生意気に…」


教室に引き返したと思ったら、同じグループに文句を言いに行った


「おいっテメェら、余計な事言いやがって」

「なっ、何だよ・・・離せよ」


胸ぐらを掴んだ。


「お前は黙ってやってりゃいいんだよ」


殴りはしないが、胸ぐらを掴み激しく揺さぶった。
俺は慌てて駆け寄った。


「おいっ、やめろよ」


駆け寄り、俺は胸ぐらを掴む腕を強く握り、服から手を離させた。
そのまま俺を睨み、教室から出ていった。

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