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好きだって気づいたとき

第6章 体育祭

競技も終わりに近づき、残すは体育祭の花形、リレーを残すだけになった。
みんなの応援にも一段と熱があがる。


「本当だったら俺、出てるんだけどな」


松田には仕方ない的な言い方したけど、やっぱ悔しいよ。
文句言えるなら木村に言いたいよ。
でもちゃんと状況見てたわけじゃないからさ、文句も言えないよな。


「選手入場してきた。
自分のクラスを応援しなきゃいけないけど、遼太を応援したくなるよ・・・んっ?
遼太のやつ、何キョロキョロしてんだ?」


入場してスタートを待っている時、キョロキョロしてうちのクラスのやつに話しかけていた。


「あいつ、落ち着きないな」


そう思っていると、俺と目が合った・・・
ような気がした。


「・・・んっ?」


遼太と距離は少し離れているけど、何だか真顔と言うか、少し怒ったような顔にも見える。
スタートの合図で視線がそれた。


「なんだ?さっきの遼太は何なんだ?」


気にはなるものの、とにかく今はリレーの応援をした。
第1走者、第2走者、遼太のクラスと俺のクラスで競い合っていた。


「行けー!頑張れー!」


クラス全員立ち上がり、俺も足の痛みを忘れ・・・
いや忘れてはいないけど、痛みを我慢して立ち上がり応援した。
いよいよバトンはアンカーの手に渡された。


「よっし行けー!」


自分のクラスに勝ってもらいたい気持ちと、遼太が1番になる所を見たいという複雑な気持ち。
バトンを受け取ったとたん、今まで互角の戦いだったのが、一気に遼太が俺のクラスを引きはなして行った。





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