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好きだって気づいたとき

第1章 色濃い2ヶ月

「よっ、知哉」

「やっほー」


下りるときどうすんの?と気になるほど上にいる2人。


「昨日も、いつだったかこの前もここ通ったけど、お前何か習ってるのか?」

「えっ、見てたの?」

「ここにいたら見えたんだよ」

「昨日もここにいたの?」

「う~ん・・・ほぼ毎日」

「そうなんだ。
うん、週3日で空手に行ってる」

「空手?すげぇなお前。
それでこんなにも運動神経がいいんだ」

「そういう訳じゃないよ。
俺は体を動かすことが好きなだけ。
運動大好きなんだ」

「俺も運動大好き、体育大好き。
何か俺、お前と気が合いそうだな」

「えっ!?」


何か凄く嬉しかった。


「知哉、明日空手の練習あんの?」

「明日はない」

「じゃあ学校終わったら遊ぼうぜ。
あっ、もしかして何か他に用事あるか?」

「うぅん、用事なんてないよ。
でもいいの?俺も一緒になんて」

「いいよ、全然かまわないよ・・・なっ?」


上にいる2人に声をかけた。


「いいよ。一緒に遊ぼうぜ」

「ありがとう。
俺、前の学校でも知哉って名前で呼ばれたことなくて、ちょっとびっくりしたんだ」

「へぇ~、そうなんだ。
俺は遼太って呼んでくれていいから」

「俺は横沢健人、たけとでいいよ」

「村井雅人、まさとでいいよ」


それから登った木のうえで鬼ごっこのようなことを始めた俺達。
前の時には考えられなかった遊び。
楽しくて時間がたつのを忘れるくらい。
気がついたら辺りは薄暗くなっていた。


「さぁ、帰るか」


途中でたけととまさとと別れ、遼太と2人で歩いていった。


「俺んちここだから」

「すげぇ近いじゃん。
明日から一緒に学校行こう。俺呼びに来るよ」

「本当?じゃあ待ってるから」


俺が家に入るまで帰ろうとしない遼太。
どうしたのかな?




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