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好きだって気づいたとき

第6章 体育祭

文化祭、体育祭が終わったら、後は中間テストと期末テストが待っている。


「はぁ・・・
2代イベントが終わったら、何か気が抜けちゃったな・・・」


足の捻挫もすっかり良くなり、休んでいた空手も行き始めた。


「暗くなるの早くなってきたな。
もう秋だな」


空手の帰り道、いつもと違う道を通りながら、ちょっと年寄りじみた事を考えた。


「暗くなるの早くなったから、子供達が帰るのも早いな。
・・・あれっ?あいつは・・・」


子供達がいない公園。
隅にある鉄棒に人がいた。
気になって見てたら、クラスの松田だった。


「おい松田?」

「えっ・・・あっ、あっ、甲斐田君」

「1人で何してんの?」

「えっとその・・・」


何だかモジモジしている。


「逆上がりの練習」

「またどうして?」

「俺、体動かす事大好きなんだ。
でも運動神経が悪くて・・・
足遅いし鉄棒もできない、跳び箱も跳べないしスポーツも下手くそ」


何の告白なんだ?


「鉄棒なら1人で公園で練習できるからと思ってね」

「そんなんだ。
でも少し見てたけど、あれじゃあ逆上がりできないよ。ちょっと見てな」


木登りする時のように、持っていた道着を鉄棒の下にポイってほかって鉄棒の前に立った。


「いい?1度みててね」


俺は1度逆上がりをやって見せた。


「君の見てると、何か凄く簡単そうに思えるんだけど・・・ん〜」

「もう1回やってみ」

「うん・・・それっ!」

「あっ、それじゃダメだわ」

「えっえっ、なになに?」

「お前、まだ時間大丈夫か?」

「うん、まだ少しなら・・・」

「じゃあ、一緒に練習しよう」


逆上がりの特訓が始まった。










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