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好きだって気づいたとき

第8章 初彼女

帰り道、色んな話をする。
クラスの事や友達の事、部活の事とかテレビの話題。
友梨耶の話は尽きることは無かった。
でも何だろう・・・
笑いながら話しているのに、全然楽しくはない。
俺にとって友梨耶が初めての彼女だから、よくわかってないのかも。


「俺がガキなのか?」

「友哉、どうしたの?」

「あっ、いや別に・・・んっ?」


今俺の事、友哉って呼び捨てにしたよな。
いつから呼び捨てにしてた?
今初めてだよな?
遼太や健人、まさとに名前で呼ばれてるから呼ばれ慣れてるけど、何だろう・・・
何か引っかかるんだよな。
だからと言って、拒絶する理由もないけど。


「友哉、少し時間ある?」

「今日は空手ないから少しなら。
何、どうしたの?」

「今日ちょっと違う道で帰らない?」

「まぁ、いいけど」

「やったー!
じゃあこっちの道から帰ろ」


2本目の信号を渡って左に曲がると優梨耶の住んでるマンション。
違う道で帰ると言うより、マンションから離れて行っている。
俺は友梨耶の言う通りにあるいている。


「マンションから離れて行ってるよ」

「うん、いいのいいの。
少しでも友哉と一緒にいたいから」

「あっ、ありがとう」


普通の人ならこんな事言われたら嬉しいんだろうけど・・・
言う通りに歩いていると、道が狭くなっていった。
車2台分位の幅しかない道。


「知ってる道だよね」

「知ってる道だから大丈夫だよ」


そう言うと急に腕を組んできた。


「ゆっ、友梨耶?」

「だって友哉とこうやって歩きたかったんだもん」


そう言って俺の右腕に胸を押し付けてきた。
これ以上ないくらい、右腕に力が入った。





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