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好きだって気づいたとき

第8章 初彼女

友梨耶は腕を組む事で、自分の胸が当たっている事に気づいているのか?
ただ腕が組みたいと言う気持ちだけで、そんな事は全然気づいていないのか?
なぜ俺は考えなくてもいい事を考えているんだろう。


「友哉、女の子と腕組むのもしかして初めて?」

「初めてだけど・・・それが?」

「うぅん、別になんでもないよ。
何かちょっと緊張してるみたいだから」


何にも言えなくて、ただただ遠く見つめた。


「ねぇ、あそこのマンションの行かない?」

「マンション?行ってどうするの?」

「どうするって・・・
見晴らしいいし、二人っきりでもう少し話したいなって思って」

「じゃあ・・・行こうか」


まだまだガキの俺は、二人っきりという言葉が何となく気になった。


「ねっ、けっこういいでしょ?」

「うん、思ったよりも見晴らしいいな」


このマンションが建っているのは知ってたけど、知り合いや友達が住んでるわけでもないから来ることは無かった。
自分の住んでる町だけど、けっこういい景色でちょっとびっくりしている。
景色を楽しんでいると、友梨耶はまた腕を組んできた。
組むと言うより俺の腕に抱きつくように、胸を押し付け、手の指も絡め、肩に頭をのせてきた。


「友哉・・・」

「何?」


横を見ると、俺の肩に頭をのせたまま上目遣いで俺を見た。


「だから何?」

「わからない?」

「わからない?って何が?」

「も〜、友哉はいつもはカッコイイのに、何か可愛いね」

「だから何なの?」

「こんな事女の子から言わせるの?」

「ごめん、マジわかんない」

「可愛いね友哉・・・じゃあ言うね。
友哉、キスして」

「・・・えっ!?」



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