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好きだって気づいたとき

第8章 初彼女

「えっ!?
ちょっ・・・えっ・・・何言っ・・・」

「何焦ってるの?」

「焦るにきまってるだろ。
きゅ、急にそんな事言うから・・・さ」

「そんなに焦る事でもないし、急でもないよ。
付き合ってるんだから、それくらいは・・・」

「それくらい・・・なの」

「私とキス・・・したくない?」

「したくないとかじゃなくて・・・
何と言うか・・・」

「初めてなんでしょ?本当に可愛いね。
じゃあ・・・」


俺の腕から離れた友梨耶は、今度は俺の正面に立ち、首の後ろに両手をまわした。


「これならしやすいでしょ?」


そう言って軽く俺の頭を引き寄せるようにして、ゆっくりと唇を近づけてきた。
俺は覚悟を決めて唇を重ねた。
重ねると言うより、軽く触れるだけのキスをした。


「ねぇ、もっとちゃんとして」


もう一度、今度はちゃんと重ねた。
重ねたまま首にまわしていた手を離し、俺の両手を掴んだ。
そして自分の腰に回させ、また俺の首に手をまわした。


「友哉・・・大好き」


こいつ、マジなれてる。
元彼といつもこんな事してたのかな?
て事は、こいつもうあっちの方も経験済って事かな。
唇が離れると、何だかちょっと満足した顔をしている友梨耶。


「友哉、私とのファーストキス、どうだった?」

「どうって聞かれても、初めてだし緊張したし、よくわからないよ」

「本当、友哉はいつもカッコイイけど、何か可愛い・・・ギャップ萌えだね」


ギュッと抱きついてきた。
可愛い可愛いってうるさいんだよ。
こんなにも可愛いって言われたの初めてだよ。
そんなにも俺って男らしくないのか?


「さぁ、そろそろ帰ろうか」

「うん!」


マンションをおりるまで、ずっと腕に絡みついていた。




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