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好きだって気づいたとき

第9章 遼太の秘密

中3になった俺達。
当たり前の事だけど、俺達が1番上の学年。
何が言いたいかと言うと、1年からヤンチャしてたヤツら、先輩がいなくなって一段と好き勝手やり出した。
ビビってる訳じゃないけど、関わらないようにしている。
でもちょっと大人しめなヤツらは、嫌がらせを受けたりする。
その場に遭遇すれば迷わず助けに入る。
遼太は何故か穏便に助けられるのに、俺は下手なのかできない。


「甲斐田、またテメェか・・・」


無言で近づいていき、やられてるヤツを連中から引き離す。
代わりに胸ぐら掴まれたり、足を蹴られてたりすることもある。


「お前、全然俺達の事ビビってないよな。
そんなけ根性あるなら、1回勝負してみないか?」


肩を強く掴まれた。


「・・・アホらしい。するわけねぇだろ」

「なんだとテメェ!
遼太と仲良くしてるからって、調子のってんじゃねぇぞ」

「遼太と仲良くすることが、何で調子のってるんだよ」

「あっ、そうか。
お前6年の時に転校してきたから知らねぇえんだ。
あいつ5年のときだったかな?
1人病院に送ってるんだぜ」

「えっ!?病院・・・送りに?」


俺の思考回路は停止。


「あいつケンカ超強いし、仲間に入ったら他校とやっても勝てそうだしな」


遼太が1人病院送り・・・
何も考えられなくなって、頭の中が真っ白になった。


「おっ、どうした甲斐田君。
仲良しの遼太君が人を病院送りにするようなヤツって聞いてショックをうけたとか」


ショックと言うより、頭を何かで思い切り殴られたかのような衝撃を受けたのは確か。
あの遼太に何があったのかが気になる。
先生が近づいてくる気配がして、みんな散らばった。

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