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好きだって気づいたとき

第9章 遼太の秘密

最近あまり来る事が出来なかったけど、体が覚えているんだな。


「友哉、はい」

「あっ、ありがとう」


枝に寝そべりながら、駄菓子屋で買ったお菓子とジュースを飲んだ。


「やっぱここはいいな」

「・・・そうだな」


それからしばらく黙った。


「なぁ友哉、俺には隠し事しないでくれよ」

「隠し事って、その・・・」

「俺はお前のそう言う思い込んだ顔を見るのが辛いんだよ」

「遼・・・太」

「何か悩んでるんだったら話して欲しい。
気になる事、困ってる事があったら俺に何でも話してくれよ。お願いだよ」

「なぁ遼太、何でお前はこんなにも俺の事心配してくれるの」

「えっ・・・あの・・・それは・・・」

「俺が気にしている事に、何か関係あるのかな?」

「気にしてる事?」


聞いてもいいのかな?
本当にあいつが言ってた事が本当かどうか確かめたいんだけど、いいのかな?
もしかしたら、もうずっとずっと心に閉じ込めておきたい事なのかもしれないし。


「気にしてる事って何だ?
お前が聞きたいんだったら何でも教えてやるよ。何だ、言ってみろよ」

「うん・・・」


思い切って聞いてみよう。


「遼太、お前小学生のとき、俺が転校する前に他の友達ともめてたとかあったか?」

「えっ・・・何が言いたい?」

「ストレートに聞くね。
お前、1人病院送りしてるって本当か?」


遼太は驚いた。
持っていたジュースを一気に飲み干すと、今度は何か決心したかのような顔をした。


「それ、誰に聞いた?」

「木・・・村・・・」

「そっか、あいつか・・・
うんそうだよ、俺1人ボッコボコにした事あるよ」


本当だったんだ。

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