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好きだって気づいたとき

第11章 2泊3日の海水浴

遊びまくった2日間。
もちろん宿のお手伝いもした2日間。
明日は帰らないといけない。
と言っても、午前中は遊ぶけど。
健人、真斗、松田の3人は昨日と同じ、疲れて寝つきが早い。
俺はなんだか眠れなかった。
布団から出て部屋の縁側に座って、暗くて見えない海の方を見ていた。


「知哉、何してるの?」

「あっ、遼太。何か眠れなくって。
ごめん、起こしちゃった?」

「起きたというか、俺も全然眠れなくてさ」


遼太も出てきて、部屋と縁側の間の障子を閉めた。


「遼太、ありがとう」

「何だよあらためて。俺何もしてないよ」

「お前のおかげで、この2日間凄く楽しかったよ」

「だから何にもしてないよ。
ただいつものように、みんなで遊んだだけじゃん」

「お前がいなかったら俺、来てなかったと思う」

「やっぱまだ気にしてたんだな」

「俺のせいで吉田はケガさせられるし、俺も人1人ケガさせてるんだよ。
気にするなって方が無理だよ」

「それは俺もわかるよ。
でもみんなわかってくれたんだから受け入れようよ」

「・・・そうだね。ありがとう遼太」

「・・・!?」

「どうした遼太」

「いやっ・・・
俺、知哉の事が・・・」


俺の手を握った。


「俺の事がどうしたの?」

「あっ・・・えっとその・・・
知哉、俺の友達になってくれてありがとうな」

「それはこっちのセリフだよ・・・ありがとう。
俺と遼太、いつも一緒だよ」

「うん、ずっと一緒」


手を握ったまま、しばらく見つめあった。


「知哉、眠くないけどそろそろ寝ようか」

「そうだな」


布団に入り、また俺達は手を繋いだまま眠った。

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