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好きだって気づいたとき

第11章 2泊3日の海水浴

3日目・・・今日は帰る日。
お昼ご飯食べてから帰ることにしている。
名残を惜しむかのように・・・
いや、いつもの通りに時間まで思いっきり海で遊ぶ野生児4人と、野生児になりつつある1人の計5人。
3日続けて遊んでも飽きないのかと思うほど大はしゃぎ。


「そう言えばさ、海での写真全然撮ってないよな」

「あっ、そうだな。
遊ぶことに必死で、全然撮ってないや」

「ちょっとは撮ろうよ」


何枚か撮っているとそこに、昨日一緒花火をやった家族連れがやって来た。


「すみません、写真撮ってもらえませんか?」


これが海へ来て、5人で撮った唯一の1枚。
絶対いい思い出になるよ。


「お〜い、そろそろあがってこい」


おじさんが呼びに来た。
時間を見るともうお昼。
海からあがり、お風呂に入らせてもらい、帰る仕度をした。
お昼ご飯を食べて宿を出た。


「お世話になりました」

「ありがとうございました」


やっぱり名残惜しいのか、それとも遊び疲れたのか、帰りの電車はみんな静か。
すぐに眠ってしまった。
俺はそのみんなの寝てる姿を写真に撮りまくった。
前に座っている遼太を撮ろうとカメラを向けて手が止まった。

遼太は本当に不思議なやつ。
前のところでも、仲のいい友達はいても、遼太みたいなやつはいなかった。
遼太に会えて、遼太と友達になれて本当によかった。
遼太がいてくれれば楽しいし、何でも頑張れる。
遼太がいれば、遼太さえいてれば・・・はっ!!

俺は何を考えているんだ。
遼太の似顔を1枚撮って、カメラをカバンにしまった。
窓の外を眺めていたら、俺もいつの間にか眠っていた。


「おいっ、知哉起きろ」

「んっ?」

「着いたぞ」


中学最後の夏休み。
絶対いい思い出になるよ。


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