
仔犬のパレード
第3章 首輪
雅紀「体調悪いの?」
昼飯を食べ終え、キッチンに立っている俺に雅紀が聞いてきた
潤は…もう広間にいないから、部屋か和也の部屋だろう
あれ?智もいない…
翔「いや、少し寝不足なだけだ。心配ない」
雅紀「…」
翔「? どうした?」
俺の顔をじっと見る雅紀
雅紀「手伝う」
翔「……え?」
雅紀「手伝う」
そう言って俺の手元を指差す
その先にあんのは、さっき4人で食べた昼飯の食器類がこんもり
そりゃ…手伝ってくれるのは助かる
言っちゃなんだが実は俺は片付けっつーのが苦手だった
でも…今はそんな事よりも
俺は驚いていた
だって…
翔「雅紀…」
雅紀「なに?」
翔「……ぁ、いや…じゃぁ頼む…」
雅紀「はーい」
相変わらずのニコニコ顔
…
……
『手伝う』
雅紀がこんな事を言ってくるのは初めてだった
雅紀が?
驚きとともに、なんだか嬉しさすら感じて
けど……
ガチャーン!!
翔「やめろ!触るな!」
雅紀「あ。血が出た」
翔「………」
いつもよりも数倍疲れたっつーのは言うまでもない
