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仔犬のパレード

第3章 首輪



ーー**ーー



翔「………ん……」


あれ…?


此処…





……あ
そうか

智に休めって言われて…


今…何時だ?


うつ伏せ状態の身体
布団も掛けずに眠りこけていた様で


翔「マジか…」


顔を上げて時計を見れば
短針は4時を刺す


結構寝ちゃったな…



ポス。と硬いベッドへと頬を戻す
1度停止した頭は、起動するのに時間がかかる


翔「……」


夕飯の準備をするのにはまだ早い
甘えてもう少しだけ、寝てしまおうか
いや、でも…和也が心配だ

点滴は休む前に取り替えた
後は潤がやってくれるか…



そんな事をゆっくり ゆっくり考える



明後日

また…行くのか…
顔も見たこともないし、ましてや智から聞いたわけでもないけれど

でもきっと…帰って来たら寝込むだろう


智が心配


そんな思いもあったけど
今の俺はそれ以上に、この状況で俺の身体は…頭は大丈夫だろうか…耐えられるのだろうか……


その不安の方が大きくなっていた




翔「……よ…」


何度か起きるぞ。と暗示を掛けて両手をベッドについて上半身を起こす

ジャラ…


同時に聴こえた金属がぶつかる音


ベッドサイドに足を降ろした俺は
それに手を当てる



冷たいな…


何処かのアンティークの様な
雅紀と潤の首にも填められた それ


この場所に俺達を縛り付ける為の




冷たく



重い



首輪






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