仔犬のパレード
第5章 里
『名は、サトシ』
『ぁ………男…?ですか…』
『そうだ』
男にしとくには勿体ないだろ。とクツクツと、口元に蓄えた髭を擦りながら笑う
『依頼じゃなければ、儂が貰ってしまいたいところだがなぁ』
『では…』
それは不可能ではない
ヤった事にしてしまえば済む話だ
それに、これだけの器量。使おうと思えばいくらでも使い道はある
『危険だ。残念ながらな』
『危険とは?』
年老いた男は
2人に向け…いや、中年の男へ向け
数本だけ指折った両手を見せた
『は…そんな額………まさか…』
それに驚きの声をあげたのは中年の男
『深追いはするなよ
危ない橋は避けるにこしたことはない。こちらは依頼をこなすのみだ
のお』
『はい』
No.224は、視線を向けられ口を動かす
『ある程度期限はあるが…』
絶対にしくじってくれるなよ。と弧を描がいた氷のような瞳が睨み見た