まだ見ぬ世界へ
第5章 さよならの恋人
「ニノ……顔、上げて?」
俺は首を横に振った。
何度も……
何度も……
必死に振って拒否をした。
「もう…っ、頑固者」
グイッと無理やり身体を引き離され、顔を覗かれる。
「うる…さい」
顔を預けていたリーダーの肩は服の色が変わるくらいに濡れていた。
それに顔は涙に濡れて不細工だ。
笑うなら……笑いやがれ。
「ぶっさいくだなー」
「言われなくても……わかってるわ」
ちょっとはオブラートに包んでくれたっていいけど、そんなことをリーダーに求めることが間違っている。
だから俺は必死に涙を拭った。
「あー、もうそんな擦ったら赤くなるぞ」
パッと俺の手を止めると、また温かい手が頬を包み、親指で目元や目尻を優しく拭ってくれる。
でも俺の涙は止まってくれない。
頬から伝わる温かさは、リーダーの存在を感じさせる。
リーダーはここにいるんだって……
でもカウントダウンは始まってる。
それを止めることは誰にも出来ない。
カウントダウンが『0』になれば、嵐は活動休止。
俺や翔くんや相葉さんや潤くんは芸能活動を続けるけど、リーダーのその後はわからない。
何をするのかも……
どこに行くのかも……
でも1つだけはわかること。
俺たちの前からリーダーはいなくなる。
『お前は俳優としてやっていける』
その言葉は容赦なく逃れられない未来を突きつける。
リーダーが俺のそばからいなくなる未来を……
「リーダ…っ、リーダー」
「ん?どうした?」
読んだら返事してくれる。
「なんにも……ない」
「なんだよ、それ」
「別に……いいでしょ」
「わかったからー、早く泣き止んでくれ」
溢れる涙を何度も何度も優しく拭ってくれる。
「もー、指疲れるわ」
……えっ?
苦笑いを浮かべるリーダーの顔がゆっくりと近づくと、チュッと目尻辺りで音を立てた。
俺は首を横に振った。
何度も……
何度も……
必死に振って拒否をした。
「もう…っ、頑固者」
グイッと無理やり身体を引き離され、顔を覗かれる。
「うる…さい」
顔を預けていたリーダーの肩は服の色が変わるくらいに濡れていた。
それに顔は涙に濡れて不細工だ。
笑うなら……笑いやがれ。
「ぶっさいくだなー」
「言われなくても……わかってるわ」
ちょっとはオブラートに包んでくれたっていいけど、そんなことをリーダーに求めることが間違っている。
だから俺は必死に涙を拭った。
「あー、もうそんな擦ったら赤くなるぞ」
パッと俺の手を止めると、また温かい手が頬を包み、親指で目元や目尻を優しく拭ってくれる。
でも俺の涙は止まってくれない。
頬から伝わる温かさは、リーダーの存在を感じさせる。
リーダーはここにいるんだって……
でもカウントダウンは始まってる。
それを止めることは誰にも出来ない。
カウントダウンが『0』になれば、嵐は活動休止。
俺や翔くんや相葉さんや潤くんは芸能活動を続けるけど、リーダーのその後はわからない。
何をするのかも……
どこに行くのかも……
でも1つだけはわかること。
俺たちの前からリーダーはいなくなる。
『お前は俳優としてやっていける』
その言葉は容赦なく逃れられない未来を突きつける。
リーダーが俺のそばからいなくなる未来を……
「リーダ…っ、リーダー」
「ん?どうした?」
読んだら返事してくれる。
「なんにも……ない」
「なんだよ、それ」
「別に……いいでしょ」
「わかったからー、早く泣き止んでくれ」
溢れる涙を何度も何度も優しく拭ってくれる。
「もー、指疲れるわ」
……えっ?
苦笑いを浮かべるリーダーの顔がゆっくりと近づくと、チュッと目尻辺りで音を立てた。