まだ見ぬ世界へ
第2章 愛のカタマリ
「えらくご機嫌だな」
「ん、そう?ってか、前!」
自転車を漕ぐ潤が後ろに座る俺を見るから、グイッと手で押して前を向かせた。
「扱い荒くない?別に自転車止めてもいいんだけど」
「潤のせいでこうなったんでしょ?ほら……さっさと漕ぐ漕ぐ」
ムカつくくらいでかい背中をペシペシと叩いてやった。
「言ったな?じゃあ……覚悟しろよ」
「おいっ、ちょっ、怖いってば!」
目の前の坂道を全速力で下って行くから、潤の腰に手を回してしがみついた。
「振り落とされんなよ」
「潤、危ないから前見ろっ!」
手を離せないから勝気に笑う潤を思いっきり睨んだ。
ホントなら手を回している脇腹に1発食らわしてやりたいけど……
今日は許してやる。
なんたって潤の言う通り俺はご機嫌だ。
だって翔兄と久しぶりに顔を合わせたんだもん。
小学生の頃は3人でずっと一緒にいたけど、翔兄が中学に入ると部活動で忙しくなった。
それでも兄弟一緒の部屋だったので、ゲームしたりして遊んだりはした。
そして俺が中学に入る年、翔兄は高校受験を控える中学3年。
元々頭が良かった翔兄は難関高を受験するため、部活引退後は塾など勉強に明け暮れる日々。
一緒だった部屋も勉強に集中するため、翔兄は別部屋になった。
それでも生活リズムは同じだったから、翔兄の顔を見て話す時間はあった。
だけど翔兄が大学に入ると生活リズムもバラバラで、1日丸々会えない日も少なくない。
けど……同じ家にいる。
俺はそれだけで幸せ。
いつでも会える。
それは家族としてだけど…ね?
「なぁ、兄貴の誕生日プレゼント買った?」
いつの間にかなだらかな道を自転車が走る。
「んー、まだ」
「じゃあ、一緒に買いにいこーぜ」
「やーだね」
「なんでだよー!俺、小遣い使って金欠なんだよ」
ブーブー文句を垂れる潤を無視して空を見上げる。
翔兄の事を考える時間を邪魔はさせないからね?
「ん、そう?ってか、前!」
自転車を漕ぐ潤が後ろに座る俺を見るから、グイッと手で押して前を向かせた。
「扱い荒くない?別に自転車止めてもいいんだけど」
「潤のせいでこうなったんでしょ?ほら……さっさと漕ぐ漕ぐ」
ムカつくくらいでかい背中をペシペシと叩いてやった。
「言ったな?じゃあ……覚悟しろよ」
「おいっ、ちょっ、怖いってば!」
目の前の坂道を全速力で下って行くから、潤の腰に手を回してしがみついた。
「振り落とされんなよ」
「潤、危ないから前見ろっ!」
手を離せないから勝気に笑う潤を思いっきり睨んだ。
ホントなら手を回している脇腹に1発食らわしてやりたいけど……
今日は許してやる。
なんたって潤の言う通り俺はご機嫌だ。
だって翔兄と久しぶりに顔を合わせたんだもん。
小学生の頃は3人でずっと一緒にいたけど、翔兄が中学に入ると部活動で忙しくなった。
それでも兄弟一緒の部屋だったので、ゲームしたりして遊んだりはした。
そして俺が中学に入る年、翔兄は高校受験を控える中学3年。
元々頭が良かった翔兄は難関高を受験するため、部活引退後は塾など勉強に明け暮れる日々。
一緒だった部屋も勉強に集中するため、翔兄は別部屋になった。
それでも生活リズムは同じだったから、翔兄の顔を見て話す時間はあった。
だけど翔兄が大学に入ると生活リズムもバラバラで、1日丸々会えない日も少なくない。
けど……同じ家にいる。
俺はそれだけで幸せ。
いつでも会える。
それは家族としてだけど…ね?
「なぁ、兄貴の誕生日プレゼント買った?」
いつの間にかなだらかな道を自転車が走る。
「んー、まだ」
「じゃあ、一緒に買いにいこーぜ」
「やーだね」
「なんでだよー!俺、小遣い使って金欠なんだよ」
ブーブー文句を垂れる潤を無視して空を見上げる。
翔兄の事を考える時間を邪魔はさせないからね?