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まだ見ぬ世界へ

第5章 さよならの恋人

「ふーっ、毎回……ヤバいわ。マジ」

顔の横に両手をついて俺を見下げる表情には余裕はない。


ここからは翻弄されっぱなしの俺が逆にに翻弄させることになる。

って言っても、完全に無意識というか……

俺の身体の反応が勝手にそうさせている。


「限界……動くぞ」

「あんっ、待って…激しい…っ」

さっきまでの気遣いがなくなり、容赦なく腰を打ちつけてくる。

それだけ余裕がないんだって思うと、その激しさも悪くないって思う。

「やだっ、そこばっか…んぁぁっ、ダメぇぇぇ」

そんな状態でも俺の中にある先端はのいいとこばっかり狙ってくる。


自分本位の動きに見えて、ちゃんと俺のことも考えてくれる。


「やあぁっ、深い…っ」

抱きしめて欲しいと手を背中に回すと、ギュッとして俺を起き上がらせてくれる。

下から突き上げられ、重力で降りてくると深く深くリーダーのが中へと入ってくる。


苦しいけど……

中の奥底までリーダーの存在を感じることが何より嬉しい。

「ニノ…」

動きを止めると、ちゅっと目尻にキスをしてくれた。


いつも無意識に流れる涙はどんな味なんだろう。


しょっぱい?

甘い?


きっと複雑な味だろう。

俺の気持ちと同じで……


俺を見下げるリーダーの頬を包むと、そのまま引き寄せてキスをした。

今度は俺が中に舌を滑らせて、決して吐き出せない気持ちを伝えるかのように舌を激しく絡めとった。


「そろそろ……いいか?」

「……うん」

ゆっくりと俺はベッドへと寝かされる。

俺はリーダーの背中に手を回すと、一ミリの隙間も作らないくらいにギュッと抱き寄せた。

そして終わりを惜しむかのようにゆっくりだった腰の動きもだんだん早くなり、互いに限界が近くなる。

「だめっ、イくっ……んあぁぁぁっ」

「俺も…っ、イくっ…」

ほぼ同時に吐き出すと、いつもの様に俺の中で何かがカチッと音を立てて減った気がした。

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