まだ見ぬ世界へ
第5章 さよならの恋人
姿だけじゃない。
私物さえもなく、まるでここにリーダーが存在してなかったかのようにさえ思えた。
「…ニノ?だいじょ…うわっ、危ねっ!」
俺の様子を心配した相葉さんがポンと肩を叩いた瞬間、全ての力が抜けて膝から崩れ落ちたけど、相葉さんに抱き留められた。
「楽屋って……みんなで出たよな?」
潤くんの言う通り、俺たちは一緒に楽屋を出た。
スタンバイ中も先輩や後輩と話はしていたけど、リーダーが楽屋に戻った気配はないし、ましてやそんな時間もない。
「じゃあ、俺らの出番が終わってから?」
「だぶん、そうだと思う」
これまでの状況から翔くんと潤くんがリーダーの行動を推測する。
そしてそれは俺の推測する答えと一緒だ。
俺たちの出番が終わって、ステージ裏に戻ってきた先輩や後輩と話している間に抜け出したんだ。
ホント、そういうことする上手いよね。
毎回、マジで感心するわ。
「ニノ、もういいよ?」
相葉さんが抱きしめる手を緩めると、床にへたり込む。
「泣いたって……いいんだよ?」
クシャっと髪を撫でてくれる相葉さんの目には涙がどんどん溜まっていく。
「なんであなたが泣くんですか」
「最近、涙脆いんだよ…っ」
ゴシゴシと慌てて涙を拭う相葉さん。
「よく頑張ったな」
翔くんも俺の近くに来てしゃがみ込むと、ポンポンと肩を叩いて労ってくれる。
「全部、吐き出せばいい。な、ニノ」
潤くんも俺の近くに来てしゃがみ込むと、優しく背中を擦ってくれる。
ずっと黙って俺とリーダーを見守ってくれた。
3人なりの優しさで……
そして今は俺に寄り添って声をかけてくれる。
それもまた3人なりの優しさ。
ホント、絶妙だよ。
俺……我慢できないじゃん。
「なんでっ、なんで……黙って行っちゃうんだよ!」
いっぱい悪態をつきたいけど、それ以上は何も言えなかった。
だだ溢れ出る涙を我慢せず、それを流しきるしかなかった。
私物さえもなく、まるでここにリーダーが存在してなかったかのようにさえ思えた。
「…ニノ?だいじょ…うわっ、危ねっ!」
俺の様子を心配した相葉さんがポンと肩を叩いた瞬間、全ての力が抜けて膝から崩れ落ちたけど、相葉さんに抱き留められた。
「楽屋って……みんなで出たよな?」
潤くんの言う通り、俺たちは一緒に楽屋を出た。
スタンバイ中も先輩や後輩と話はしていたけど、リーダーが楽屋に戻った気配はないし、ましてやそんな時間もない。
「じゃあ、俺らの出番が終わってから?」
「だぶん、そうだと思う」
これまでの状況から翔くんと潤くんがリーダーの行動を推測する。
そしてそれは俺の推測する答えと一緒だ。
俺たちの出番が終わって、ステージ裏に戻ってきた先輩や後輩と話している間に抜け出したんだ。
ホント、そういうことする上手いよね。
毎回、マジで感心するわ。
「ニノ、もういいよ?」
相葉さんが抱きしめる手を緩めると、床にへたり込む。
「泣いたって……いいんだよ?」
クシャっと髪を撫でてくれる相葉さんの目には涙がどんどん溜まっていく。
「なんであなたが泣くんですか」
「最近、涙脆いんだよ…っ」
ゴシゴシと慌てて涙を拭う相葉さん。
「よく頑張ったな」
翔くんも俺の近くに来てしゃがみ込むと、ポンポンと肩を叩いて労ってくれる。
「全部、吐き出せばいい。な、ニノ」
潤くんも俺の近くに来てしゃがみ込むと、優しく背中を擦ってくれる。
ずっと黙って俺とリーダーを見守ってくれた。
3人なりの優しさで……
そして今は俺に寄り添って声をかけてくれる。
それもまた3人なりの優しさ。
ホント、絶妙だよ。
俺……我慢できないじゃん。
「なんでっ、なんで……黙って行っちゃうんだよ!」
いっぱい悪態をつきたいけど、それ以上は何も言えなかった。
だだ溢れ出る涙を我慢せず、それを流しきるしかなかった。