テキストサイズ

まだ見ぬ世界へ

第5章 さよならの恋人

「マジか!これはいけるぞ!松潤もメッセージ入れろ!」

「えっ?なに?どういう事?」

反応から察するに、翔くんはきっと相葉さんと同じ変化があったんだ。

でも潤くんは俺と同じで変化はない。

「いいからとりあえずメッセージ、送るんだよ!」

「なんだよ……教えてくれたっていいじゃ……えっ?」

潤くんが促されるようにメッセージを送ると、その変化が見れたみたいでスマホの画面を驚きの表情で見てる。


【お酒の入ったニノは可愛いよ?】


潤くんのメッセージが表示されたって何にもかわんない。

「こんなすぐに反応するなんて、やっぱりニノは愛されてんな」

クシャっと髪を撫でる潤くんはさっきまでは俺と同じ状態だったのに今は余裕たっぷり。


俺、ひとり置いてけぼり状態。

何か……ムカつくんですけど。


「あっ、そっか!ニノ、メッセージ送ってないからわかんないんだ!何でもいいから、送ってみろ」

「ちょっと……痛いってば!」

急かすようにパンパンと肩を叩いてくる翔くん。

そして相葉くんも潤くんも俺がメッセージを打つのを今か今かと待ちわびる。

「メッセージ…ねぇ」

うーんと悩みつつも、この流れを切るのも変だと思った俺はメッセージのノリに合わせることにした。


【今日だけはみんなに甘えまーす♡】


「これでいーですか?」

「ぷはっ、これは傑作だな……ニノ」

我ながら気持ち悪いメッセージだか、腹を抱えて笑う翔くんの反応から見ると間違えではなかったみたい。

「で、送りましたけど?」

言われた通りにしてみたけど、俺のスマホには何の変化もない。

「ちゃんと見てみな、既読の数字」

俺のスマホを覗き込んできた潤くんが指でメッセージをトントンと叩いた。

「ふふっ、きっと慌ててるよ?リーダー」


嘘……でしょ?

俺のメッセージの既読の数は『4』



















バンッ…


勢いよく開いた個室のドア。


息を切らした人が俺たちの前に現れた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ