まだ見ぬ世界へ
第5章 さよならの恋人
2人だけになった個室。
何を話していいのか……
何から話していいのかわからない。
「久しぶり…だね」
「あ…うん」
勇気というか……必死に言葉を振り絞ってリーダーが声をかけてくれた。
「元気に……してた?」
俺も必死に言葉を振り絞った。
でも、話したい事はこんな事じゃない。
「うん……元気にしてたよ。ニノは?」
もちろんこの流れのままでも話は続けられると思う。
けどこのままじゃ……
ちゃんと気持ちを伝えなきゃ、ダメなんだ。
「うわっ、に…ニノ?」
俺は勢いよくリーダーの胸に飛び込んで抱きついた。
ギュッと……
ギュッと……
言葉にできない分、離したくない離れたくないって気持ちを腕の力に込めた。
「ニノ…っ」
振り絞るような声で俺の名を呼び、痛いくらいリーダーが俺を抱きしめ返してくれる。
結局言葉は二の次になってしまったけど、この温もりは俺が一番欲していたモノ。
そしてもう絶対に……逃したくない。
「どこにも……行かないで」
ずっと……
ずっと言えなかったことを伝えた。
「わかった……そばにいる」
ずっと……
ずっと欲しかった言葉を言ってくれた。
「ふふっ、良かったね。ニノ」
相葉さんの声のした方に顔を向けると、ドアの隙間からトーテムポールのよう俺たちを見ている3人の姿。
「でも……そんなにゆっくりしてていいの?」
そう言って入ってきた翔くんは俺たちにスマホ画面を見せてきた。
時刻は0:03
日付は6月18日。
俺の誕生日……終了。
「ここからは久しぶりの嵐会って事で。お会計はもちろん……」
ニヤっと笑って潤くんはリーダーを見つめた。
「……わかったよ」
3人は嬉しそうにハイタッチする。
トントン…
リーダーが俺の肩を叩くと、耳元で囁いた。
「カズ、ごめん……おめでとう」
あの日とは似て非なる言葉。
「ありがとう、智」
その言葉に俺は心の底から……笑えた。
【end】
何を話していいのか……
何から話していいのかわからない。
「久しぶり…だね」
「あ…うん」
勇気というか……必死に言葉を振り絞ってリーダーが声をかけてくれた。
「元気に……してた?」
俺も必死に言葉を振り絞った。
でも、話したい事はこんな事じゃない。
「うん……元気にしてたよ。ニノは?」
もちろんこの流れのままでも話は続けられると思う。
けどこのままじゃ……
ちゃんと気持ちを伝えなきゃ、ダメなんだ。
「うわっ、に…ニノ?」
俺は勢いよくリーダーの胸に飛び込んで抱きついた。
ギュッと……
ギュッと……
言葉にできない分、離したくない離れたくないって気持ちを腕の力に込めた。
「ニノ…っ」
振り絞るような声で俺の名を呼び、痛いくらいリーダーが俺を抱きしめ返してくれる。
結局言葉は二の次になってしまったけど、この温もりは俺が一番欲していたモノ。
そしてもう絶対に……逃したくない。
「どこにも……行かないで」
ずっと……
ずっと言えなかったことを伝えた。
「わかった……そばにいる」
ずっと……
ずっと欲しかった言葉を言ってくれた。
「ふふっ、良かったね。ニノ」
相葉さんの声のした方に顔を向けると、ドアの隙間からトーテムポールのよう俺たちを見ている3人の姿。
「でも……そんなにゆっくりしてていいの?」
そう言って入ってきた翔くんは俺たちにスマホ画面を見せてきた。
時刻は0:03
日付は6月18日。
俺の誕生日……終了。
「ここからは久しぶりの嵐会って事で。お会計はもちろん……」
ニヤっと笑って潤くんはリーダーを見つめた。
「……わかったよ」
3人は嬉しそうにハイタッチする。
トントン…
リーダーが俺の肩を叩くと、耳元で囁いた。
「カズ、ごめん……おめでとう」
あの日とは似て非なる言葉。
「ありがとう、智」
その言葉に俺は心の底から……笑えた。
【end】