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まだ見ぬ世界へ

第6章 俺の名は

【ニノ(潤)side】()……中身


俺と同じ意見でホッとした。

もし翔くんとご飯ってなったら、俺の姿をしたニノが行くことになる。


それだけは絶対に避けなければ、ヤバい事になる。


二「とりあえず、仕事に行く準備……するか」

潤『あ、うん。そうだね』

二「風呂、準備してくるわ」

上半身裸でいるのもどうかと思い、足元に落ちている服を拾って首を通した。

潤『あっ、それ……潤くんのだから』

二「ん?」

腕を通そうとしている服はニノの言う通り、俺の服で間違いない。


それをなんでわざわざ指摘するんだ?


潤『もし着るなら……こっち』

申し訳なさそうに俺に差し出したのはニノの服。

二「えっ、なんで……あっ、そっか」


今、俺は『松本潤』じゃないんだ。

気を抜いたり、何気なく動いたら自分の外見が『二宮和也』であることを忘れてしまう。


二「ホント気をつけないと、マズいな」

潤『うん、俺も気をつける』

気をつけることを挙げればキリがない。

何もかも気をつけなければならない。

だだどんなに気をつけたっていつもの俺と違う行動をしたり、問いかけられたことに答えられない事だって出てくる。

二「あのさ……色々とフォローし合わないとヤバいと思うから、なるべく一緒に行動しよう」

潤『うん、そうだね。何かあったら……よろしくね』

ニコッとニノが俺に笑いかけてくれる。


だだ、その笑顔は俺だから素直に喜べない。


だって俺が笑ったって可愛くない。

ニノが笑うから可愛いんだ。


潤『どうしたの?』

二「えっ、いや……」

ボーっとしてしまっていた俺の顔を覗き込む。


あぁ、もう……入れ替わってなかったら、これ絶対に可愛いやつじゃん。


潤『あとさ、俺もだけど……その口調、気をつけろよ!』

ピッと人差し指を俺の口に当てた。


あぁ、マジ俺って可愛くねーな。

きっと『ニノ』だったらってシチュエーションが幾度となく訪れるんだろうな。

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