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まだ見ぬ世界へ

第6章 俺の名は

【ニノ(潤)side】()……中身


着替え終わって自分の姿を確認すると、ニノが俺の服を着ている。

体形の差があるからちょっとTシャツがダボっとしてる。


なんかさ、これって……

恋人の服を借りて着てるっていう萌えな感じじゃね?


全体を見たくて鏡の前で動いてみたけど、どうしても動きがぎこちない。

ってか……可愛くねぇ。

中身が俺だからどうしても仕草はニノっぽくはならない。


姿がいくらニノであっても、正真正銘のニノが着ないと何の意味もないんだなって実感した。


なら早く元に戻ってニノにって勝手に考えが及ぶけど……

一緒に飲むって事でさえ、昨日が久しぶりだった俺たちにこんな機会が訪れるのか?


部屋を出ると少し腰を丸めた俺がキッチンに立って、野菜を洗っている。

暫くするとトントンとテンポよく野菜を切るが聞こえてきた。

二「ごめん、ありがとう」

潤『ううん、こんな感じだけど大丈夫?』

二「全然問題ないよ。さすが、料理人の役してただけあって上手いな」

潤『そう?久しぶりだから鈍ってるし、潤くん……あっ、ニノ?え…あ、どっち?』

1人であーでもないこーでもないと悩む自分の中のニノにクスッと笑ってしまった。

潤『もー、笑ってる場合じゃないんだからね』

ぷーっと口を膨らませて俺を睨む自分にちょっとゲンナリ。


わかってはいたけど……

つくつく可愛げってのがないヤツだな、俺は。


二「俺はそんな風に拗ねないからな」

プニッと親指とひとさし指で頬を摘んでやった。

潤『はーい、しっかりと潤くんを演じさせていただきます』

二「頼みますよ、最優秀主演男優賞さん」

潤『第39回ね』

クスッと笑い合うと、2人並んで朝食の準備をした。


今は例え身体が入れ替わっていても、こうやってニノと過ごす時間は貴重なんだ。

だから、後悔のないようにしなきゃな。


こうやって絶対に一緒にいなきゃいけない間は……

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