まだ見ぬ世界へ
第2章 愛のカタマリ
カズは俺が部屋に入ってきた事にも気づかず、並んだ机のひとつに向かって勉強していた。
いや、きっとしている風。
開いている教科書にも全く目線がいかない。
持っているシャーペンも全く動かない。
「カズ」
「うわっ、な…なに?」
声をかけると予想通りビックリして、猫背になった身体を震わせて俺の方を見た。
さっと手の掌で目を擦って振り返ったのは予想外だった。
「珍しいね、勉強なんて」
「珍しいは余計だ。俺だって来年は受験生なんだぞ」
口調はいつもと変わらいけど、避けるように俺から視線を逸らして真っ白なノートに目を向けた。
「わかんないとこでもあるの?」
俺はノートをトントンと指さした。
「あ…うん」
「教えてあげよっか?」
「バーカ、潤に解ける訳ないだろ」
「じゃあ、兄貴呼んでこよっか?」
「…えっ?」
俺の顔を見るのを避けたくせに……
『兄貴』って名前が出ただけで動揺して振り返って俺を見つめる。
「珍しく兄貴が家にいるんだし……教えてもらった方がいいんじゃない?俺、呼んでくるよ」
兄貴の部屋へ向かうふりをしたら、慌てて立ち上がって俺の腕を掴んできた。
「何で?何で止めるの?」
「そっ、それは……」
カズはパッと掴んでいた腕を離すと俺に背を向ける。
カズも……兄貴と向き合わないんだな?
それでいいんだな?
じゃあ、カズ……俺の事だけ考えてくれよ。
後ろからカズをギュッと抱きしめた。
「なっ、何するんだよ」
すっぽりと俺の腕に包まれたカズが、もがいて暴れるけど絶対に逃がしてやらない。
「俺じゃ、ダメか?」
「えっ?」
「俺ならずっとそばにいる。離れたりなんか……絶対しない」
強く抱きしめた腕を解くと、ゆっくりと俺の方に身体を向けさせる。
「好きだ」
その言葉に目を見開いて驚いた。
初めてカズは……俺の事で動揺した。
いや、きっとしている風。
開いている教科書にも全く目線がいかない。
持っているシャーペンも全く動かない。
「カズ」
「うわっ、な…なに?」
声をかけると予想通りビックリして、猫背になった身体を震わせて俺の方を見た。
さっと手の掌で目を擦って振り返ったのは予想外だった。
「珍しいね、勉強なんて」
「珍しいは余計だ。俺だって来年は受験生なんだぞ」
口調はいつもと変わらいけど、避けるように俺から視線を逸らして真っ白なノートに目を向けた。
「わかんないとこでもあるの?」
俺はノートをトントンと指さした。
「あ…うん」
「教えてあげよっか?」
「バーカ、潤に解ける訳ないだろ」
「じゃあ、兄貴呼んでこよっか?」
「…えっ?」
俺の顔を見るのを避けたくせに……
『兄貴』って名前が出ただけで動揺して振り返って俺を見つめる。
「珍しく兄貴が家にいるんだし……教えてもらった方がいいんじゃない?俺、呼んでくるよ」
兄貴の部屋へ向かうふりをしたら、慌てて立ち上がって俺の腕を掴んできた。
「何で?何で止めるの?」
「そっ、それは……」
カズはパッと掴んでいた腕を離すと俺に背を向ける。
カズも……兄貴と向き合わないんだな?
それでいいんだな?
じゃあ、カズ……俺の事だけ考えてくれよ。
後ろからカズをギュッと抱きしめた。
「なっ、何するんだよ」
すっぽりと俺の腕に包まれたカズが、もがいて暴れるけど絶対に逃がしてやらない。
「俺じゃ、ダメか?」
「えっ?」
「俺ならずっとそばにいる。離れたりなんか……絶対しない」
強く抱きしめた腕を解くと、ゆっくりと俺の方に身体を向けさせる。
「好きだ」
その言葉に目を見開いて驚いた。
初めてカズは……俺の事で動揺した。