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まだ見ぬ世界へ

第6章 俺の名は

【ニノ(潤)side】()……中身


俺たちの願いも虚しく、3人はすでに楽屋入りしてた。

挨拶は違和感なくできていたと思う。


けど早々に心配事が発生。

頼むから翔くん……俺の顔を見てニヤニヤしないで。


そしてどうして相葉くんは、こっちをニヤニヤしながら見てる?


楽屋に到着して早速、浮かんできた疑問。


これはマジで先が思いやられる。


大『なに、2人とも風邪?』

二「あ、うん。熱とかは……ないんだけどね」

潤『大した事…ないから』

ワザとらしいかもしれないけど、咳払いをしてアピールしておいた。

ニノも不機嫌さを出してアピールしてくれている。


ってか俺って普段、こんな風に不機嫌オーラだしてんのか?

こりゃ、声かけずれーわ。


でもこれで気を遣って声をかけてこなければ万々歳。


俺はいつものニノのようにスマホを取り出して、パズドラを起動させてゲームをするフリをした。

そしてその様子を見た俺の姿のニノも隣にポスっと座ると、腕と足を組んで俯いた。


相「…ノ、ニノってば」

相葉くんがニノを呼んでいる。

ニノを……呼んでる?


あっ、俺だ!


ニ「えっ、あっ、なに?集中してるんですけど」

最初は挙動不審な反応をしてしまったけど、ニノの相葉くんへのツンケンな態度は出来てたと思う。

相『ジュース、買いに行かない?』


それは無理だよ、相葉くん。


二「今はいいです」

相『奢ってあげるから…ね?行こ?』

ニ「嫌って言ってるでしょ」

これ以上の引き出しが俺には無く、相葉くんの扱いに慣れているニノみたいにキツくは言えない。

相『ほーら、行くよー』

ニ「えっ、ちょっと…待って!」

グイッと手を引っ張ってきた。


ヤバい……ニノ、助けて!


潤『あ…っ』

翔『松潤、ちょっといい?』

俺に声をかけて近づいていく翔くんの姿が見えた。


今、声をかけたら話す事なんてひとつしかない。

止めろ、止めてくれ!


心の叫びはもちろん届くはずもなく、相葉くんに自販機へと連行されていった。

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