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まだ見ぬ世界へ

第6章 俺の名は

【ニノ(潤)side】()……中身


ニ「一体、何なのよ……」

ジュースを買いに行くってのはきっと2人きりになるための口実で、本当は俺……いやニノに聞きたい事があったんだ。

それでもジュースは遠慮なく奢ってもらうことにした。


ニノなら絶対にそうしただろうからね。


相『わかってるくせに……昨日、どうだったの?松潤と』

ニヤニヤしながら脇腹を肘で突いてくる。

二「それは……」

相『もー、焦らさないで教えてよぉ』

ぷーっととわざとらしく頬を膨らまして怒った態度を取られたって教えられない。

ってか、覚えてねーし。

相『え、マジ?ホントに何かあった?』

ニ「ないない、何にもないって」

相『うそぉ、相葉さんは騙されませんよ』

勝ち誇ったようにニヤっと笑うけどさ……今思いっきり騙されてるよ?


俺はニノじゃなくて松本です。


二「甘いね、あなたを騙すなんてお手の物です」

ヒラヒラと手を振ると、俺は逃げるように楽屋に向かって歩き出す。


これ以上一緒にいたら、いつボロが出てもおかしくない。


相『まぁ、どっちにしたって今日は詳しく聞かせてもらいますからね』

二「いや、今日は無理」

慌てて振り返って断りを入れるけど、相葉くんは俺を追い抜いて先に楽屋へと走っていく。

二「ちょっと聞いてる?」

相『聞いてませーん!』

悪びれもなく眩しいくらいの笑顔を向けられると、断るにも断れない。


これは潔く諦めるを得ない。


ニ「奢りだからねー!」

相『もちのロンロン』

二「サムっ、そして古っ!」

俺なりのツッコミに反論することなく、相葉くんは楽屋へと入っていった。

ニ「マジか……」

全ての不安を吐き出すように大きな溜め息をついた。


でもこれは逆にチャンスかもしれない。


俺だって相葉くん以上に気になることがある。

しょっちゅう一緒にご飯に行ったり飲みに行く理由を……


ゴメン、ニノ。

ちょっとだけ……2人の様子を覗かせてよ。

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