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まだ見ぬ世界へ

第6章 俺の名は

【ニノ(潤)side】()……中身


食事に行くため相葉くんの車に乗り込んだものの、ハンドルを握ったままで出発する気配がない。

二「どうしたんですか?」

相『あ、いやさ……悪かったなって思って』

二「は?いきなりなんですか?」

相『ニノの気持ちを考えず強引に誘ってさ』

二「そんなの、いつもの事でしょーが」

さっきまでのテンションはどこへやら……

急に気持ちが沈んで、理由もわからないまま謝罪を受けている。


俺の気持ちって……なんだ?


相『俺さ、楽屋に松潤と一緒に来たニノを見て『上手くいったんだ』って思ってた。俺がどうたっだかを聞いても教えてくれないのは照れ隠しなんだとばっかり……』

申し訳なさそうにハンドルに目線を落としたまま、相葉くんは謝罪の理由を話しているんだと思うんだけど、俺にはさっぱり話が見えてこない。

 
上手くいく?

照れ隠し?


昨日、相葉くんは俺とニノに何があったと思ってる?

いや、なにを予想してたんだ?


相『でもさ、ニノ。俺、気がついたんだ。いつもとなんか違う。だからもしかしたらダメだったんじゃないかって。それなのに俺、勝手に浮かれちゃって……』

ハンドルから顔を上げて俺……いや、ニノの姿を見つめる瞳は少しだけ潤んでいた。


相葉くんとニノは付き合いが長い。

だからこそ他人が感じないニノの違和感に気がついて、心配してくれているんだ。

何がダメだったのかは未だに話は見えないけど、この謝罪に繋がった。


でもその相葉くんにちょっと嫉妬してる。

俺ならその違和感……気づいてたのかなって。


2人の絆をまざまざと見せつけら、そして思い知らされた。


相『無理しないで?俺とニノの仲でしょ?』

ポンポンと下を向いたままの俺の肩を相葉くんが優しく揺すってくる。

「だいじょ……」

相『全部、吐き出していいから…ね?』


…えっ?

なんで……なんだ?


覆いかぶさってきた相葉くんが俺のシートベルトを外すと、ギュッと抱きしめてきた。

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