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【？side】


ﾄﾞﾝｯ…


衝突音と同時に額に激痛が走る。


飛び込んできた身体を受け止めようとしたけど、体格差を考えれば不可能だった。

ニノの姿のした俺は俺の姿をしたニノを受け止めきる事ができず、後ろに勢いよく押されると身体ごとドアにぶつけた。

潤「いってぇぇぇ…」

二『いったぁぁい』

蹲って額を押さえ、痛みが引くのを待った。

飛び込んできたニノとたぶん額同士をぶつけた。

「ニノ、大丈夫……えっ？」

自分の発した声に違和感を覚えた。

いや、違和感じゃない。


だって……この声が当たり前だったはず。


二『大丈夫な訳……えっ？』

ニノもだぶん俺と同じ違和感に気がついた。


自分が発した声は俺自身の声。

そしてニノが発した声はニノの声。


額を押さえながら俺は顔を上げると、目の前には俺と同じように額を押さえる……ニノ。


「ニノ…だよな？」

『潤くん…だよね？』

それは自分が一番わかっていたけど確かめずにはいられなかった。


俺がコクリと頷くとニノもコクリと頷いた。


「戻った……戻ったな、俺たち」

『うん、元に戻ったね。俺たち』

さっきの衝撃で目を潤ませているニノが笑った。


あぁ……やっぱりニノだな。


だって可愛いんだもん。

いつも見てきたその笑顔が……


俺には決して真似できない。


「ニノ」

手を伸ばすと俺の手でニノの頬に触れた。

俺が大好きなニノの輪郭をゆっくりと指でなぞった。

『潤……くん？』

風呂で触れた時の感覚と俺自身で触れるのとはやっぱり違う。

しっかりと俺の指先がニノの温もり、感触、存在すべてを伝えてくれる。


やっと俺自身で触れることが出来た。


そして俺自身で伝えることができる。


「俺……ニノに言わなきゃいけない事がある」

『俺も……潤くんに言いたい事がある』

上目遣いで言われると『自分から』という決意が揺らぎそうになった。