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まだ見ぬ世界へ

第6章 俺の名は

【潤side】


頬を少し紅く染めた可愛いニノからの頼みに、断る理由がどこにある?

「ずっと……ずっとニノの事が好きだった」

回りくどい言葉はいらない。

シンプルに自分の気持ちを伝えた。


でも……溢れるくらいの気持ちを言葉に込めた。


ニ『俺も……俺もずっと好きだった。潤くんの事』

正真正銘、ニノの口からニノの想いを聞くことができた。


今日伝えるって決めてたけど、それは入れ替わった状態でだと思ってた。


「もう、知ってるよ」

ニ『俺だって……知ってるもん』

2人して照れくさそうに笑った。


「好きだよ、ニノ」

その笑顔があまりにも可愛くて、勝手に腕が動きてニノを抱き寄せた。

すっぽりと俺の腕に包まれるニノの身体を逃すまいとさらに力を込めた。

ニ『俺…も』

声は小さいけど、ニノも俺の背中に手を回してギュッとしてくれた。


言葉ひとつ、行動ひとつを俺に返してくれるニノが愛おしくてしかたない。


ニ『潤くん』

「ん?なに?」

ニ『部屋に……上がっていいかな?』

考えてみればここは玄関。

その上、腰が悪いニノにとっては辛い姿勢で長時間いたことになる。

「ごめん、腰……痛かったよな」

抱きしめていた腕を解き、先に立ち上がる。

ニ『ううん、だいじょ…うわっ』

立ち上がった瞬間、足元がふらついて転びそうになったニノを抱き留めた。

「腰、痛いのか?」

ニ『足が痺れたみたい。腰は大丈夫だよ』


その言葉に内心、ホッとした。

だって俺は……決めたんだ。


今日、ニノとって……


俺は背中と膝の裏に手を回して持ち上げた。

俗に言う……お姫様抱っこ。

『うわっ!だ、大丈夫だよ。歩ける…から』

慌ててニノは落ちない様に首に手を回した。


「ニノ」

ニ『な…なに?』

至近距離でニノが俺を見つめる。

「俺と……付き合ってください」

『うん…っ』

一瞬、目を見開いて驚いたけど……

満面の笑みを見せると俺にギュッとしがみついた。

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