まだ見ぬ世界へ
第2章 愛のカタマリ
「痛いんだけど」
潤もイラついたのか掴んでいた手を乱暴に振りほどくと、俺を睨みつけた。
「どういうつもりだって聞いてんだろ」
「どういうつもりも別にないけど」
潤は俺の心を見透かすように薄ら笑いを浮かべた。
「なんだよ、その態度」
反論する言葉が見つからない俺は胸倉を掴んで言いくるめるしか方法が浮かばない。
「それはこっちのセリフだっつーの」
手を振り払うと思った潤の手は俺の胸ぐらを掴んで捻り上げる。
怒鳴るとすぐに目に涙を浮かべていた幼かった頃の潤はそこにはもういなくて……
怒気を含んだ声と表情に今は俺が怯みそうになっている。
「は?どういう意味だよ」
俺が潤にモヤモヤする事があっても、俺が潤の怒りを買った覚えはない。
「じゃあ俺が教えてやるよ。兄貴、カズの事……好きだろ」
俺を逃さない様に見つめる潤の瞳に動揺が映し出されない様に表情を抑える。
「……何バカな事、言ってんだよ」
少し緩んだ潤の手を払い退けると、勢いそのままに背を向けた。
「また逃げんのかよ」
抑揚のない潤の声が背中に突き刺さる。
「別に逃げてなんてねーよ。そもそも俺は……」
『好きじゃない』
頭では言葉が浮かんでいるのにそれが口から出ない。
「なんだよ。言えよ」
「いいだろ、別に」
俺はそのまま逃げるように自分の部屋へと歩を進める。
「言えよ……言えって言ってんだろーが!」
潤が俺の肩を掴んで無理やり振り向かせると、いきなり飛び込んできた拳。
それを避ける事も出来ず、殴られた衝撃で尻餅をつく形で倒れ込むと、そこに潤が馬乗りになってきた。
「……っ、てめぇー!」
「何でだよっ、何で…っ」
胸倉を掴んで激しく揺さぶるのに、潤の声は弱々しく、俺は反撃しようと握りしめた拳の力を弱めた。
「何で……兄貴なんだよっ!」
言葉と共にまた飛び込んできた強く握りしめた潤の拳に、俺は反射的に目を閉じた。
潤もイラついたのか掴んでいた手を乱暴に振りほどくと、俺を睨みつけた。
「どういうつもりだって聞いてんだろ」
「どういうつもりも別にないけど」
潤は俺の心を見透かすように薄ら笑いを浮かべた。
「なんだよ、その態度」
反論する言葉が見つからない俺は胸倉を掴んで言いくるめるしか方法が浮かばない。
「それはこっちのセリフだっつーの」
手を振り払うと思った潤の手は俺の胸ぐらを掴んで捻り上げる。
怒鳴るとすぐに目に涙を浮かべていた幼かった頃の潤はそこにはもういなくて……
怒気を含んだ声と表情に今は俺が怯みそうになっている。
「は?どういう意味だよ」
俺が潤にモヤモヤする事があっても、俺が潤の怒りを買った覚えはない。
「じゃあ俺が教えてやるよ。兄貴、カズの事……好きだろ」
俺を逃さない様に見つめる潤の瞳に動揺が映し出されない様に表情を抑える。
「……何バカな事、言ってんだよ」
少し緩んだ潤の手を払い退けると、勢いそのままに背を向けた。
「また逃げんのかよ」
抑揚のない潤の声が背中に突き刺さる。
「別に逃げてなんてねーよ。そもそも俺は……」
『好きじゃない』
頭では言葉が浮かんでいるのにそれが口から出ない。
「なんだよ。言えよ」
「いいだろ、別に」
俺はそのまま逃げるように自分の部屋へと歩を進める。
「言えよ……言えって言ってんだろーが!」
潤が俺の肩を掴んで無理やり振り向かせると、いきなり飛び込んできた拳。
それを避ける事も出来ず、殴られた衝撃で尻餅をつく形で倒れ込むと、そこに潤が馬乗りになってきた。
「……っ、てめぇー!」
「何でだよっ、何で…っ」
胸倉を掴んで激しく揺さぶるのに、潤の声は弱々しく、俺は反撃しようと握りしめた拳の力を弱めた。
「何で……兄貴なんだよっ!」
言葉と共にまた飛び込んできた強く握りしめた潤の拳に、俺は反射的に目を閉じた。