まだ見ぬ世界へ
第2章 愛のカタマリ
【カズside】
ドンッ!
……えっ?なに?
部屋の外から聞こえてきた衝撃音にビックリして、ベッドから起き上がる。
誰か倒れたのかもしれないと思い慌てて部屋を出ると、翔兄に馬乗りになっている潤の後ろ姿が目に飛び込んできた。
そして翔兄の右頬が赤く腫れている。
うそ……喧嘩?
「何で……兄貴なんだよっ!」
潤が叫び声をあげると拳を引いて殴りかかろうとしてた。
「潤、ダメッ!」
慌てて駆け寄ると潤の腕にしがみついた。
「んだよ、離せよっ!」
「嫌だっ!潤、止めてっ!」
潤が俺を振り払おうとするけど、掴んだ腕に自分の腕を巻き付きつけて逃さないようにした。
「なんで……なんでなんだよ」
言葉と共に強張っていた潤の身体の力が抜けていくと俺もその場にへたり込んだ。
「なんでこんな時だけ……俺に手を伸ばすんだよ」
「だって潤が翔兄を……」
「……結局、兄貴かよ」
潤は乱暴に頭を掻きむしった。
「ずっとそうだった。いつだってカズが手を伸ばすのは兄貴だった。俺は……俺はずっとカズに手を伸ばしてきたのに……」
潤は自分の掌を見つめる。
「ずりーよ。兄貴もカズも……」
「潤……」
「優しくすんなよ…っ」
今にも消え入りそうな声に、俺はまた潤に手を伸ばしたけどパンと払い退けられる。
「その手を握ったら、俺の望んだモノ……くれんのかよ?」
俺はその問いかけに何も言えなかった。
「だったら優しくすんなよ!俺を突き放せよ!同情なんかすんじゃねーよ!」
バッと顔を上げると俺の胸倉を掴んで睨みつけた。
その目は……真っ赤に染まっていた。
「諦められねーだろ」
胸倉を掴んでいた腕がだらりと落ちる。
「ゴメン、ゴメン……潤」
潤に告白されてから何度か伝えた言葉。
言葉では潤の気持ちを拒んでいたくせに、俺は潤を拒絶する事ができなかった。
でも、同情なんかじゃない。
だって大好きな弟だもん……
ドンッ!
……えっ?なに?
部屋の外から聞こえてきた衝撃音にビックリして、ベッドから起き上がる。
誰か倒れたのかもしれないと思い慌てて部屋を出ると、翔兄に馬乗りになっている潤の後ろ姿が目に飛び込んできた。
そして翔兄の右頬が赤く腫れている。
うそ……喧嘩?
「何で……兄貴なんだよっ!」
潤が叫び声をあげると拳を引いて殴りかかろうとしてた。
「潤、ダメッ!」
慌てて駆け寄ると潤の腕にしがみついた。
「んだよ、離せよっ!」
「嫌だっ!潤、止めてっ!」
潤が俺を振り払おうとするけど、掴んだ腕に自分の腕を巻き付きつけて逃さないようにした。
「なんで……なんでなんだよ」
言葉と共に強張っていた潤の身体の力が抜けていくと俺もその場にへたり込んだ。
「なんでこんな時だけ……俺に手を伸ばすんだよ」
「だって潤が翔兄を……」
「……結局、兄貴かよ」
潤は乱暴に頭を掻きむしった。
「ずっとそうだった。いつだってカズが手を伸ばすのは兄貴だった。俺は……俺はずっとカズに手を伸ばしてきたのに……」
潤は自分の掌を見つめる。
「ずりーよ。兄貴もカズも……」
「潤……」
「優しくすんなよ…っ」
今にも消え入りそうな声に、俺はまた潤に手を伸ばしたけどパンと払い退けられる。
「その手を握ったら、俺の望んだモノ……くれんのかよ?」
俺はその問いかけに何も言えなかった。
「だったら優しくすんなよ!俺を突き放せよ!同情なんかすんじゃねーよ!」
バッと顔を上げると俺の胸倉を掴んで睨みつけた。
その目は……真っ赤に染まっていた。
「諦められねーだろ」
胸倉を掴んでいた腕がだらりと落ちる。
「ゴメン、ゴメン……潤」
潤に告白されてから何度か伝えた言葉。
言葉では潤の気持ちを拒んでいたくせに、俺は潤を拒絶する事ができなかった。
でも、同情なんかじゃない。
だって大好きな弟だもん……