まだ見ぬ世界へ
第8章 幸福論【再会】
「マッチングシステムで選ばれたのが兄さんだって知ってから色々と考えた。でもいくら考えたって『兄さん』の姿しか浮かばなんだ」
俺以上にきっと和也は葛藤していると思う。
相手があってこそだけど、和也は最終的に誰かを選ばなければならない。
その決断に至るまでに俺たちの関係がどうなっているのかなんて今は想像すらできない。
そして何より兄弟という関係から変わらなきゃという気持ちはあるけど、正直どうしたらいいかもわからない。
「まずはお名前で呼んでみてはいかがでしょうか?」
「「うわっ」」
いきなり三田園さんの声が聞こえて、俺と和也は同時に驚きの声を上げた。
ってか、俺の心を読んでるのか?
「い、いつからいたんだよ」
「確か、智さまが和也さまの頭を……」
「あぁぁぁぁ、もういいから!」
自分がしたことを三田園さんに説明されると余計に小っ恥ずかしくなる。
「それより和也さま、体調は大丈夫ですか?」
三田園さんは当たり前だが動揺することなく、持ってきた紅茶をテーブルに置いた。
「うん、大丈夫だよ」
「和也、体調悪いのか?」
今まで過ごしていた中で和也の体調の変化を見逃しているはずはないと思う。
もしも……てことは、ずっと頭の中に置いている。
「体調というよりも……薬の副作用がね」
「副作用?」
「俺の場合は、眠くなるんだよね」
三田園さんが言うには、抑制剤にも種類がたくさんあってそれによって副作用も異なるらしい。
和也の身体にあう抑制剤は眠くなるって言う副作用があるらしい。
でもそれはそれで危なくないか?
もし寝てる間に何かあったらどうするんだよ。
って、俺も何かするかもしれないんだよな。
「無理せず、一度お休みされてはいかがですか?」
「でもさ、久しぶりに兄さんに会ったし……」
明らかにシュンとして肩を落とす和也。
でも和也はきっとそんな事、一ミリも思ってないんだろうな。
俺以上にきっと和也は葛藤していると思う。
相手があってこそだけど、和也は最終的に誰かを選ばなければならない。
その決断に至るまでに俺たちの関係がどうなっているのかなんて今は想像すらできない。
そして何より兄弟という関係から変わらなきゃという気持ちはあるけど、正直どうしたらいいかもわからない。
「まずはお名前で呼んでみてはいかがでしょうか?」
「「うわっ」」
いきなり三田園さんの声が聞こえて、俺と和也は同時に驚きの声を上げた。
ってか、俺の心を読んでるのか?
「い、いつからいたんだよ」
「確か、智さまが和也さまの頭を……」
「あぁぁぁぁ、もういいから!」
自分がしたことを三田園さんに説明されると余計に小っ恥ずかしくなる。
「それより和也さま、体調は大丈夫ですか?」
三田園さんは当たり前だが動揺することなく、持ってきた紅茶をテーブルに置いた。
「うん、大丈夫だよ」
「和也、体調悪いのか?」
今まで過ごしていた中で和也の体調の変化を見逃しているはずはないと思う。
もしも……てことは、ずっと頭の中に置いている。
「体調というよりも……薬の副作用がね」
「副作用?」
「俺の場合は、眠くなるんだよね」
三田園さんが言うには、抑制剤にも種類がたくさんあってそれによって副作用も異なるらしい。
和也の身体にあう抑制剤は眠くなるって言う副作用があるらしい。
でもそれはそれで危なくないか?
もし寝てる間に何かあったらどうするんだよ。
って、俺も何かするかもしれないんだよな。
「無理せず、一度お休みされてはいかがですか?」
「でもさ、久しぶりに兄さんに会ったし……」
明らかにシュンとして肩を落とす和也。
でも和也はきっとそんな事、一ミリも思ってないんだろうな。