まだ見ぬ世界へ
第8章 幸福論【再会】
着替え終わると、すぐに和也の部屋へと戻った。
「和也、入るぞ」
「うん、いいよ」
ドアをノックして和也の返事を聞き、部屋へと入った。
「ホントその恰好、変わんないな」
和也は首元が伸びきっている服に、グレーのスエット。
「だって楽なんだもん。それに兄さんだって何も変わってないじゃん」
俺は絵具の跡が残っている白のTシャツに青い短パン。
互いの格好だけを見れば、会わなくなってから月日が経ったとは思えない。
「俺は作業着も兼ねてるからいいの。それよりも早く寝ろ」
「あっ、ちょっと待ってよ!」
背中を押してベッドに向かわせようとしたら、クルっと身体を反転させて逃げた。
「はい、これ」
「へ?」
パソコンがあるデスクに置いていたプレゼントらしきものを持ってくると俺に差し出してきた。
「あー、やっぱり……忘れてるでしょ?」
「忘れてるって、なに……あっ!」
今日は11月26日。
つまりは俺の誕生日。
「いつも俺が言わなきゃ忘れてるんだから」
俺の事なのになぜか和也は頬を膨らませて怒って見せる。
産んでもらった両親には申し訳ないけど誕生日だったり、クリスマスなどのイベント事というものに興味がない。
特に絵を描き始めるようになってからは日付や曜日感覚がない。
作品の締め切りだったり、今日みたいに重要な日に関してはちゃんと覚えているけどあくまでもその予定として覚えているだけ。
会う日を聞いてから今日まで、これっぽっちも俺の誕生日と気がつかなかった。
「ほーら、受け取ってよ!」
「ありがとう、和也。見てもいい?」
「もちろん」
ちょっと誇らしげに答える和也に、ちょっとワクワクしながらプレゼントの包装を解いた。
「えっ?嘘…だろ?マジか!スゲー!」
「ふふっ、スゴイでしょ?」
滅多にない喜びを爆発させた俺を見て、和也は誇らしげに笑った。
「和也、入るぞ」
「うん、いいよ」
ドアをノックして和也の返事を聞き、部屋へと入った。
「ホントその恰好、変わんないな」
和也は首元が伸びきっている服に、グレーのスエット。
「だって楽なんだもん。それに兄さんだって何も変わってないじゃん」
俺は絵具の跡が残っている白のTシャツに青い短パン。
互いの格好だけを見れば、会わなくなってから月日が経ったとは思えない。
「俺は作業着も兼ねてるからいいの。それよりも早く寝ろ」
「あっ、ちょっと待ってよ!」
背中を押してベッドに向かわせようとしたら、クルっと身体を反転させて逃げた。
「はい、これ」
「へ?」
パソコンがあるデスクに置いていたプレゼントらしきものを持ってくると俺に差し出してきた。
「あー、やっぱり……忘れてるでしょ?」
「忘れてるって、なに……あっ!」
今日は11月26日。
つまりは俺の誕生日。
「いつも俺が言わなきゃ忘れてるんだから」
俺の事なのになぜか和也は頬を膨らませて怒って見せる。
産んでもらった両親には申し訳ないけど誕生日だったり、クリスマスなどのイベント事というものに興味がない。
特に絵を描き始めるようになってからは日付や曜日感覚がない。
作品の締め切りだったり、今日みたいに重要な日に関してはちゃんと覚えているけどあくまでもその予定として覚えているだけ。
会う日を聞いてから今日まで、これっぽっちも俺の誕生日と気がつかなかった。
「ほーら、受け取ってよ!」
「ありがとう、和也。見てもいい?」
「もちろん」
ちょっと誇らしげに答える和也に、ちょっとワクワクしながらプレゼントの包装を解いた。
「えっ?嘘…だろ?マジか!スゲー!」
「ふふっ、スゴイでしょ?」
滅多にない喜びを爆発させた俺を見て、和也は誇らしげに笑った。