まだ見ぬ世界へ
第2章 愛のカタマリ
「ホント、騒がしいんだから……ごめんなさいね、お待たせして」
「いえ、俺も早く来てしまったんで」
玄関に先に来ていた母さんが俺たちの方を向くと、ひょこっと現れた声の主。
潤の友達ってとにかく『濃い人』というか、キャラ立ちした人が多い。
でもその人は茶髪で少し色黒だけど大人しい雰囲気。
「わりぃ、智。コイツのせいで手間取った」
「違っ…潤が絡んできたんだろ!」
「もー、どっちでもいいから早くいってらっしゃい!」
「「いて…っ」」
バンっと俺と潤の背中を叩いて押した。
「お邪魔しました」
「いえいえ、また家に遊びに来てね」
「はいっ」
潤の友達はフニャっと母に笑いかけるとペコっと頭を下げた。
「カズ、紹介するわ。こいつ大野智」
先に靴を履いた潤が大野くんの肩に手を回すとグッと引き寄せる。
「大野…智です」
自分の名前なのになぜかしどろもどろなって、頬を紅く染める。
おっ、もしかして……
「兄の和也です」
「あ…あに?」
目をパチパチしながら俺と潤を交互に見つめる。
「ぷっ、智」
「あっ、すみません!」
「……いえ」
さっきと今で誤魔化すのが下手でわかりやすい人だってのが一目でわかったよ。
でも潤には、これくらいわかりやすい人がお似合いかも。
「お・と・う・との潤をよろしくお願いします」
「おい、強調すんなよ!」
「事実でしょ?」
「あの…おっ、落ち着いて」
喧嘩だって思ってアタフタする大野さんが少し可愛い。
「もー、さっさと出かけなさーい!」
母さんの怒号に慌て俺たちは家を出た。
「じゃあ、俺……行くから」
「さっさと行きやがれ!」
シッシと手で追い払う仕草を見せる潤。
「大野くん、まぁ……頑張って」
ポンと肩を叩くと不思議そうに俺を見た。
「潤、ありがとうね」
あの日から、ずっと伝えられなかった感謝の言葉。
俺が願うのはお門違いかもしれないけど……
今度は潤が幸せな恋をしてね?
「うっせー、バーカ!」
ニカッと潤は笑った。
「いえ、俺も早く来てしまったんで」
玄関に先に来ていた母さんが俺たちの方を向くと、ひょこっと現れた声の主。
潤の友達ってとにかく『濃い人』というか、キャラ立ちした人が多い。
でもその人は茶髪で少し色黒だけど大人しい雰囲気。
「わりぃ、智。コイツのせいで手間取った」
「違っ…潤が絡んできたんだろ!」
「もー、どっちでもいいから早くいってらっしゃい!」
「「いて…っ」」
バンっと俺と潤の背中を叩いて押した。
「お邪魔しました」
「いえいえ、また家に遊びに来てね」
「はいっ」
潤の友達はフニャっと母に笑いかけるとペコっと頭を下げた。
「カズ、紹介するわ。こいつ大野智」
先に靴を履いた潤が大野くんの肩に手を回すとグッと引き寄せる。
「大野…智です」
自分の名前なのになぜかしどろもどろなって、頬を紅く染める。
おっ、もしかして……
「兄の和也です」
「あ…あに?」
目をパチパチしながら俺と潤を交互に見つめる。
「ぷっ、智」
「あっ、すみません!」
「……いえ」
さっきと今で誤魔化すのが下手でわかりやすい人だってのが一目でわかったよ。
でも潤には、これくらいわかりやすい人がお似合いかも。
「お・と・う・との潤をよろしくお願いします」
「おい、強調すんなよ!」
「事実でしょ?」
「あの…おっ、落ち着いて」
喧嘩だって思ってアタフタする大野さんが少し可愛い。
「もー、さっさと出かけなさーい!」
母さんの怒号に慌て俺たちは家を出た。
「じゃあ、俺……行くから」
「さっさと行きやがれ!」
シッシと手で追い払う仕草を見せる潤。
「大野くん、まぁ……頑張って」
ポンと肩を叩くと不思議そうに俺を見た。
「潤、ありがとうね」
あの日から、ずっと伝えられなかった感謝の言葉。
俺が願うのはお門違いかもしれないけど……
今度は潤が幸せな恋をしてね?
「うっせー、バーカ!」
ニカッと潤は笑った。