まだ見ぬ世界へ
第9章 幸福論【初対面①】
「じゃあ、今度は和也くんの事を聞いてもいい?」
「あ、はい!何でもどうぞ」
「ぶちゃけさ、男の人とって……どうなの?」
明るく答えてくれた和也くんには申し訳ないけど、俺はストレートに質問をぶつけた。
普通、恋愛対象は異性、つまりは『女性』
俺の恋愛対象は『男』だから何の問題もない。
俺の事を偏見な目で見てるだなんて事はこれっぽっちも思わないけど、和也くん自身はその事に対してどう思っているんだろうって。
「……正直、わかりません。だだ『女性』を恋愛対象として見た事はありません」
「えっ?」
「俺の結婚相手が女性になる事は絶対にありませんし、女性も『Ω性の男』の俺を恋愛対象として見ることはないですから」
和也くんは戸惑う俺を置いて、淡々と話しを続ける。
「そして何より『誰かを好きになる』必要がないと思っていたので、番の相手が男だってわかっていても、恋愛対象として見たことはありません」
和也くんが俺の質問に『わからない』と答えた理由が悔しいくらいに納得できた。
そんな風に考えるなんて普通はあり得ないけど、和也くん……いや、『Ω性の男』にとってはそれが当たり前なのかもしれない。
『Ω性の男』が結婚する人、つまり『番』の相手は『α性の男』で、これは誰もが知っている『Ω性の男』の未来。
この未来を誰よりもわかっているのは『Ω性の男』
そして未来だけでなくその相手を決めるのも国。
それに逆らうなんてリスク以外のなにものでもない。
それをわかった上で……
社長は俺に和也くんを紹介した。
社長の覚悟は計り知れないし、それに比べれは俺は随分無謀な事をしていたなって思う。
でもそれが出来たのは、俺が『今』しか考えていなかったから。
けどあの人は違った。
『未来』を見据えていた。
どこの誰ともわからないα性の男と『番』の契約をする。
その変わる事のない、たったひとつの未来を……
「あ、はい!何でもどうぞ」
「ぶちゃけさ、男の人とって……どうなの?」
明るく答えてくれた和也くんには申し訳ないけど、俺はストレートに質問をぶつけた。
普通、恋愛対象は異性、つまりは『女性』
俺の恋愛対象は『男』だから何の問題もない。
俺の事を偏見な目で見てるだなんて事はこれっぽっちも思わないけど、和也くん自身はその事に対してどう思っているんだろうって。
「……正直、わかりません。だだ『女性』を恋愛対象として見た事はありません」
「えっ?」
「俺の結婚相手が女性になる事は絶対にありませんし、女性も『Ω性の男』の俺を恋愛対象として見ることはないですから」
和也くんは戸惑う俺を置いて、淡々と話しを続ける。
「そして何より『誰かを好きになる』必要がないと思っていたので、番の相手が男だってわかっていても、恋愛対象として見たことはありません」
和也くんが俺の質問に『わからない』と答えた理由が悔しいくらいに納得できた。
そんな風に考えるなんて普通はあり得ないけど、和也くん……いや、『Ω性の男』にとってはそれが当たり前なのかもしれない。
『Ω性の男』が結婚する人、つまり『番』の相手は『α性の男』で、これは誰もが知っている『Ω性の男』の未来。
この未来を誰よりもわかっているのは『Ω性の男』
そして未来だけでなくその相手を決めるのも国。
それに逆らうなんてリスク以外のなにものでもない。
それをわかった上で……
社長は俺に和也くんを紹介した。
社長の覚悟は計り知れないし、それに比べれは俺は随分無謀な事をしていたなって思う。
でもそれが出来たのは、俺が『今』しか考えていなかったから。
けどあの人は違った。
『未来』を見据えていた。
どこの誰ともわからないα性の男と『番』の契約をする。
その変わる事のない、たったひとつの未来を……