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まだ見ぬ世界へ

第11章 アイツは可愛い年下の男の子

もうすぐメンバーが来るし、そろそろ起きなきゃって思っても、身体のあちこちが痛い。

だから身体を1ミリでも動かすのも億劫で、楽屋に来て早々テーブルに突っ伏して目を閉じている。

そして何よりあそこの違和感が半端ない。


あー、マジでメイクの順番変わって欲しい。


でも仕事が昨日終るのが遅かったのは翔だから、メイクの順番は俺が先。

特にVS嵐の収録日は火曜日で、月曜日にZEROがある翔の方が仕事が終わる時間が絶対的に遅い。

だから必然的に俺が先になるんだよな。


きっとワガママ言えば翔は変わってくれたと思うけど……

この気怠さを見せてのメイクの順番変更は『昨日̪激しくシました』ってメンバーに言っているようなもの。


そんなの……恥ずかしすぎて絶対にできない。


メンバーが俺たちの関係を知っているならなおさら。

意地でも、いつも通りに過ごさないと。


いや……待てよ。


俺、今日ほどじゃないけどこんな状態の時が何回かあったよな。

その時は『体調が良くない』って上手く誤魔化してたつもりだったけど、メンバーはもうその理由を知っていたって事だよね?


なぁぁぁぁぁぁ!

もう俺、すでに恥ずかしい状態じゃん。


顔……合わせらんねーよ。


『おはよー』

ガチャッとドアの開く音とニノの声が聞こえ、反射的に身体を起き上がらせた。

「…っ、ぃっ…て」

苦痛に歪んでいるであろう俺とバチっと目が合うニノ。


俺、終わった。


俺は再び、テーブルにうつ伏せになって顔を隠した。


逃げたい。

でも、動けない。


そんな俺にニノが段々と近づいてくる気配を感じた。


ヤバい、ヤバい。

なんとか誤魔化せる言い訳、言い訳……


必死に頭をフル回転させるけど、何も浮かばない。


すると俺が座っているソファーが沈んだ。

俺はドキドキしながらニノの発する言葉を待つ。


『この辺でしょ?痛いの』

「えっ?」

ニノは俺の腰に手を当てると、マッサージを始めた。

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