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まだ見ぬ世界へ

第11章 アイツは可愛い年下の男の子

『なぁ、頼むよ!リーダー、相葉くん』

翔が何かを懇願する声が聞こえた。

『潤くん、起き上がれる?』

「あ…うん、サンキュ」

ニノの手を借りで俺は起き上がると、ソファーの背もたれに身体を預ける。

マッサージの甲斐もあって、腰の痛みもマシになっていた。

『おっはよ~』

『おはよー』

「おい、ちょっと無視すんなって!」

ガチャッとドアが開くと、相葉くんとリーダー、そして翔が入ってきた。

「頼む!変わって!お願い…っ」

翔がソファーに座るリーダーと相葉くんに手を合わせて、必死に懇願している。

そしてその合間にチラッと俺を見る目が『ごめんな』って謝ってた。

『どうしたの?』

今の状況を把握しているだろうニノが、知らないフリをして2人に問いかける。

『翔ちゃんがクリフクライム変わって欲しいんだって』

「そうなの?」

『あ、うん。もしよかったらニノが……』

『嫌です』

翔が言い終わる前にスパっと言い切る前に断るニノ。


なにがなんでも自分はやらないのね。

ここまでくると清々しささえ感じてしまう。


『俺も嫌だよ。だって、しんどいもん』

ニノの後に続いて、リーダーもやんわりと拒否。


完全拒否の2人。

これ、ホントにニノが何とかしてくれるの?


ニノをチラッと見ると、『任せとけ』とばかりに俺にウインクしてみせると、スマホを取り出して操作しだした。


ピンポーン…


操作し終えると同時にリーダーと相葉くんのスマホが鳴った。

取り出したスマホを凝視するリーダーと相葉くん。


『俺…やる』

ポツリと相葉くんが呟いた。

『いや、俺がやる』

断固拒否していたリーダーもなぜか名乗り出る。

『えっ?えっ?』

突然の事に頼み込んでいた翔も2人を交互に見やる。

「ニノ……どうなってるの、これ?」

隣にいるニノに耳打ちして聞いてみた。

『それは知らない方がいいかもよ』

そう答えるニノはなぜか嬉しそうだった。

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