テキストサイズ

まだ見ぬ世界へ

第11章 アイツは可愛い年下の男の子

『お疲れー』
『じゃーね、翔ちゃん、松潤』
『お疲れ様でした』

「『お疲れー』」

収録も無事終わり、先に楽屋をあとにする3人を翔と見送った。

「それにしてもあの2人、めちゃめちゃ早かったね」

あんなに『やりたくない』って言ってたリーダーと相葉くんが、今度はお互いに『やりたい』と譲らなかった。

だから俺だけじゃなく、同じく不調だった翔も交代してもらった。


そしてその結果、2人で挑戦したクリフクライムのタイムは久しぶりの好記録だった。


『そりゃそうだろ。あんなご褒美をチラつかされたら俺だって頑張るぜ?』

「ご褒美って?」


ニノの働きかけがあって、2人が交代してくれたのは間違いない。

でもニノがご褒美なんて……あり得ない。


『あー、そっか。潤はまだ知らないのか。アイツら、付き合ってんの』

「え?うそ……えぇぇぇぇぇぇぇ!」

衝撃過ぎる事実に久しぶりに驚きの声を上げた。

『全く気付いてなかったんだな。まぁ、俺も今日知ったんだけどな。それも俺たちが付き合う前からだって』

「俺らより、前なの?」

『らしいぜ。それならさ、俺が潤と付き合ってるって言った時に教えてくれたっていいのに』

ちょっとだけ拗ねて見せる翔。


そこ……拗ねる所?


俺にとっては衝撃事実のオンパレード。

もちろん付き合っていた事もだけど、付き合っていたのが俺らよりも前って事。


そんな雰囲気……誰からも感じ取れなかった。


「ちなみにさ、誰と誰なの?付き合ってるの」

『誰と誰って……3人だよ』

「へ?3…人?」

『じゃなきゃ、大野くんと相葉くんがあんなやる気になる訳ねーじゃん』

当たり前だろと言わんばかりの顔の翔。


いやいやいや。

待って、待って。

3人って……どういう事?


『難しく考えんじゃねーよ』

険しい顔をしていたのか、俺の眉間辺りを指で解してきた。

『そういう付き合いもあるんだよ。何より人を好きになるって……理屈じゃないだろ?』

優しく俺に微笑むと、余計な考えを払う様に頭をクシャっと撫でた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ