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まだ見ぬ世界へ

第11章 アイツは可愛い年下の男の子

カズの事がずーっと好きだった。

でもそんな俺の気持ちにカズはこれっぽっちも気がついてなかった。

だからこれは告白するしかないなって思ってた時、リーダーに言われたんだ。


『ニノの事、好きだよね』って。


バレちゃってたか……って思ってたけど、別に隠す事じゃないから『うん』って答えた。


でもまさかリーダーもカズが好きだなんて思ってもみなかった。


それからリーダーは最も手強いライバルであり、良き理解者になった。

ずっと誰にも話せなかった事、リーダーだけには話す事ができた。

『ニノのここが可愛い』とか……些細なことだけど、自分の気持ちに共感してくれる存在のリーダーは俺にとっては嬉しかった。


でも話せば話すほど、リーダーのカズへの気持ちが伝わってきたし、俺もカズへの想いが膨らんだ。


だから決めたんだ。

カズに告白しようって。


そしてそれをリーダーに伝えた。


『なんで俺に言うの?』って聞かれたけど、リーダーだからこそ伝えたいって思ったんだ。

だってリーダーは自分の気持ちを隠さず話してくれた。

だから俺も伝えないで告白するのは違うって思ったし、きっとリーダーだってカズに伝えたいんじゃないかって思った。


俺ら……似た者同士だからね。


当たって砕けろ状態の告白だったけど、カズの答えは予想外の『考えさせて』という事だった。


俺が選ばれた訳じゃない。

もちろんリーダーが選ばれたわけじゃない。


でも、俺らは嬉しかった。

『男』の俺たちの告白が拒絶されなかった事が……


もしカズがリーダーを選んだら悔しいけど、リーダーなら潔く諦められるって思った。


誰よりも……カズへの想いを知ってるから。


でも告白の返事がまさかの『どっちも選べない』


それにはビックリしたけど、カズがいいならって事で3人で付き合う事になった。

だって俺の恋が実って、リーダーの恋が実る。


こんな嬉しい事ってない。


どちらも傷つくことなく、カズもどちらかを選ぶ必要がない。

傍から見ればあり得ないかもしれないけど、カズが……そして俺らがいいなら何の問題もない。

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