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まだ見ぬ世界へ

第12章 愛を叫べ

【櫻井side】


松「遅れてごめん」

俺が見てもわかるくらい清々しい顔をした潤が先に入ってきた。

その後、ニノが下を向き入ってきた。

その姿を見て、松潤がクシャっと髪を撫でると安心したように笑った。


そこですべてを察知した。


松潤はニノに想いを伝えたって……


智くんと相葉ちゃんは、はしゃいでいてこの状況には気づいていない。


マズい……どうする、俺?


焦る気持ちをを沈めるのと、無い知恵を絞るため鞄に手を伸ばし、中を探ったが見つからない。

俺は立ち上がり、個室を出ようとすると

ニ「翔ちゃん、どこ行くの?」

座ったまま、俺の顔を見上げる。


その潤んだ瞳にドキッとしてしまう。


「ん?たばこ切れてて……」

ニ「あっ、俺も切れてるから」

スッと立ち上がって、俺の傍に駆け寄ってくる。

相「どこ、行くの?」

呑気な顔で俺に聞いてくる。

櫻「たばこ、切れてるから買ってくる」

ニノと2人、店内にある自販機へと向かう。

大「乾杯前には戻ってきてよー」


ゴメン、少しだけ遅くなるかも……


自販機に到着し、お金を入れてタスポをかざすと横から手が伸びてきた。

俺が吸う銘柄と違うタバコが落ちてくる。

ニ「ゴチになります」

満面の笑みを俺に向ける。


その笑顔、俺だけのモノにしたい。


ゆっくり手を伸ばしニノの頬を両手で包んだ。

ニ「しょ…翔ちゃん?」

見つめるニノの瞳が動揺から不規則に揺らぐ。


またニノが戸惑う事を俺は言うよ?


「ニノ……俺は、ニノが好きだ」

ニ「…えっ?」

揺らぐ瞳はそのままで目が大きく開かれる。

「松潤にも同じこと……言われたよね?」

俺の問いかけには何も答えないニノ。


嘘もつかないし、正直にも答えない。


わかりやすいけど、ニノらしいなって思う。


「こんな事を伝えた俺が言うのも変だけど、返事は後日でもいいかな?今は5人での飲み会を楽しみたいから」

ニ「……うん」

戸惑いながら返事をするニノ。

「もしさ、俺の気持ちを受け止めてくれるなら……」


俺の恋、灰になるのも燃え続けるのもニノの答え次第だ。

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