まだ見ぬ世界へ
第13章 正義のミカタ
『なんだ、潤かよ』
『なんだって……お客に失礼じゃないっすか?』
入ってきたのは確か店長の高校時代の後輩の潤さん。
近くに住んでるのか、よく店に買い物に来てくれている。
『お客っていうなら、もっと売り上げに貢献しろ』
『安月給なんですから無理っすよ。寧ろ、先輩の方が稼いでるんですから奢って下さいよ』
『しゃーねぇな。なんか好きな物、選んで来い』
『よっしゃぁ!』
「やったぁ!」
先輩風を吹かせる店長に、俺もどさくさ紛れに喜んでおいた。
『おい、二宮くんには言ってないぞ』
「でも『俺はダメ』とも言ってないですよね?」
ニヤっと笑って、陳列棚に向かった。
『あー、もうわかったわかった。好きなモン買ってこい!』
「はーい」
何だかんだ文句を言いつつも、店長は優しいんだよね。
早速、俺の好きな鶏五目のおにぎりを手に取った。
あとは飲み物……と考えていると、潤さんが隣に来ておにぎりに手を伸ばした。
「梅干し……あっ」
完全に心の声が漏れてしまい、手を口で押えたけどもう遅い。
『じじくさいって思ったでしょ?』
「あ…いえ……」
『昔っから好きなんだよね、梅干し』
少しだけ照れくさそうに微笑んでもう1個、おにぎりを取ってカゴに入れた。
カゴの中にはサラダがたくさん。
逆にいつも買っている麺類や丼物系は少しだけ。
「野菜……好きなんですか?」
『あー、野菜系って普段高くて買えないからさ。あ、良かったらこれ、食べてみて。美味しいよ?』
カゴの中から野菜スティックを俺に渡してくれた。
生野菜って苦手なんだよな……
『このバーニャカウダソース、最高だから』
「ありがとうございます」
ニカッと笑う潤さんに俺は、差し出された野菜スティックを素直に受け取った。
『あ、先輩!あと、お酒もいいっすか?』
『お前、ふざけんな!』
「じゃあ、俺も!良かったですね、店長。今日の売り上げいいですよ」
『俺は全然、良くねぇぇぇぇぇ!』
店に響く嘆きに潤さんと2人で笑い合った。
『なんだって……お客に失礼じゃないっすか?』
入ってきたのは確か店長の高校時代の後輩の潤さん。
近くに住んでるのか、よく店に買い物に来てくれている。
『お客っていうなら、もっと売り上げに貢献しろ』
『安月給なんですから無理っすよ。寧ろ、先輩の方が稼いでるんですから奢って下さいよ』
『しゃーねぇな。なんか好きな物、選んで来い』
『よっしゃぁ!』
「やったぁ!」
先輩風を吹かせる店長に、俺もどさくさ紛れに喜んでおいた。
『おい、二宮くんには言ってないぞ』
「でも『俺はダメ』とも言ってないですよね?」
ニヤっと笑って、陳列棚に向かった。
『あー、もうわかったわかった。好きなモン買ってこい!』
「はーい」
何だかんだ文句を言いつつも、店長は優しいんだよね。
早速、俺の好きな鶏五目のおにぎりを手に取った。
あとは飲み物……と考えていると、潤さんが隣に来ておにぎりに手を伸ばした。
「梅干し……あっ」
完全に心の声が漏れてしまい、手を口で押えたけどもう遅い。
『じじくさいって思ったでしょ?』
「あ…いえ……」
『昔っから好きなんだよね、梅干し』
少しだけ照れくさそうに微笑んでもう1個、おにぎりを取ってカゴに入れた。
カゴの中にはサラダがたくさん。
逆にいつも買っている麺類や丼物系は少しだけ。
「野菜……好きなんですか?」
『あー、野菜系って普段高くて買えないからさ。あ、良かったらこれ、食べてみて。美味しいよ?』
カゴの中から野菜スティックを俺に渡してくれた。
生野菜って苦手なんだよな……
『このバーニャカウダソース、最高だから』
「ありがとうございます」
ニカッと笑う潤さんに俺は、差し出された野菜スティックを素直に受け取った。
『あ、先輩!あと、お酒もいいっすか?』
『お前、ふざけんな!』
「じゃあ、俺も!良かったですね、店長。今日の売り上げいいですよ」
『俺は全然、良くねぇぇぇぇぇ!』
店に響く嘆きに潤さんと2人で笑い合った。