まだ見ぬ世界へ
第13章 正義のミカタ
潤さん…っ。
俺は助けを求め、心の中で叫んだ。
『ほーら、こっち見て?』
でも潤さんはその言葉を聞いて、『従って』という様にコクっと俺に遠くで頷いて見せた。
「は…はい」
恐怖で震える声で返事すると、ゆっくりと目線をお客さんへと向けた。
『潤んだ瞳も堪んないね。もっと……泣かせたくなる』
伸びてきた手が俺の頬を包んだ瞬間ピクっと身体が震え、ツーっと冷たいものが流れ落ちたのがわかった。
怖い。
怖い。
『助けて!』って潤さんに大きな声で叫びたい。
『大丈夫』
……えっ?
少し離れだ場所から声を出さず、口の動きで俺にそう伝えてくれた。
そして優しく俺に微笑んでくれた。
『大丈夫、大丈夫』
何度も何度も俺に伝えてくれた。
俺は大きく深呼吸した。
落ち着かなきゃ。
落ち着かなきゃ。
何度も何度も自分に言い聞かせた。
『どうしたの?緊張してる?そうだよね、俺と過ごすなんて初めてだもんね』
勝手に1人で俺の今の状況を良い様に捉え、嬉しそうな声色で話してる。
今なら……
今なら、俺の望みを聞いてくれるかもしれない。
俺に向けられているナイフをどうにかしなきゃ、助けてもらうのも難しい。
「あ…あの……」
『ん?なに?』
俺に話しかけられたのが嬉しいのか、笑顔を俺に向ける。
今しか……ない。
「ノド……乾いちゃって。これ……飲んでもいいですか?」
『もちろん。二宮くんにあげようって思って買おうとしたし……好きでしょ?コーヒー』
「は、はい」
俺の好みを知っている事にまた、恐怖が増幅する。
ダメだ。
ダメだ。
逃げちゃ……ダメだ。
『どーぞ』
その瞬間、俺の手首を掴んでいる手が離れた。
「ありがとう……ございます」
俺はゆっくりと前屈みになっていた身体を起こした。
そして向けられたナイフの距離が俺から離れた。
『おい…っ!』
潤さんがお客に向かって走り出す。
今だ!
今しかない!
突然の声にビックリして反射的に後ろを振り返った瞬間、俺はレジカウンターから脱出を図った。
俺は助けを求め、心の中で叫んだ。
『ほーら、こっち見て?』
でも潤さんはその言葉を聞いて、『従って』という様にコクっと俺に遠くで頷いて見せた。
「は…はい」
恐怖で震える声で返事すると、ゆっくりと目線をお客さんへと向けた。
『潤んだ瞳も堪んないね。もっと……泣かせたくなる』
伸びてきた手が俺の頬を包んだ瞬間ピクっと身体が震え、ツーっと冷たいものが流れ落ちたのがわかった。
怖い。
怖い。
『助けて!』って潤さんに大きな声で叫びたい。
『大丈夫』
……えっ?
少し離れだ場所から声を出さず、口の動きで俺にそう伝えてくれた。
そして優しく俺に微笑んでくれた。
『大丈夫、大丈夫』
何度も何度も俺に伝えてくれた。
俺は大きく深呼吸した。
落ち着かなきゃ。
落ち着かなきゃ。
何度も何度も自分に言い聞かせた。
『どうしたの?緊張してる?そうだよね、俺と過ごすなんて初めてだもんね』
勝手に1人で俺の今の状況を良い様に捉え、嬉しそうな声色で話してる。
今なら……
今なら、俺の望みを聞いてくれるかもしれない。
俺に向けられているナイフをどうにかしなきゃ、助けてもらうのも難しい。
「あ…あの……」
『ん?なに?』
俺に話しかけられたのが嬉しいのか、笑顔を俺に向ける。
今しか……ない。
「ノド……乾いちゃって。これ……飲んでもいいですか?」
『もちろん。二宮くんにあげようって思って買おうとしたし……好きでしょ?コーヒー』
「は、はい」
俺の好みを知っている事にまた、恐怖が増幅する。
ダメだ。
ダメだ。
逃げちゃ……ダメだ。
『どーぞ』
その瞬間、俺の手首を掴んでいる手が離れた。
「ありがとう……ございます」
俺はゆっくりと前屈みになっていた身体を起こした。
そして向けられたナイフの距離が俺から離れた。
『おい…っ!』
潤さんがお客に向かって走り出す。
今だ!
今しかない!
突然の声にビックリして反射的に後ろを振り返った瞬間、俺はレジカウンターから脱出を図った。